研究課題/領域番号 |
03650565
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原 信義 東北大学, 工学部, 助教授 (40111257)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 化学気相析出法 / MOCVD / 人工不働態皮膜 / 耐食性 / エリプソメトリー / 複合酸化物 / エリプソメトリ- |
研究概要 |
有機金属化合物を原料とする化学気相析出法であるMOCVD(metalorganic chemical vapor deposition)によって各種の組成を持つ人工不働態皮膜を作製し、その耐食性を調べることにより、高耐食性防食被覆への適用および自然不働態皮膜のモデル皮膜として応用について検討した。得られた重要な成果は以下の通りである。 1.装置の作製: 3元系までの複合酸化物を合成することが可能なMOCVD装置を作製した。装置に回転アナライザ方式の自動エリプソメータを組込むことにより、成膜過程のin-situモニタが可能になった。 2.Al_2O_3、TiO_2、Ta_2O_5、およびSiO_2薄膜の合成と耐食性評価: これらの酸化物単独薄膜の耐食性は、5M-HCIではAl_2O_3<TiO_2<SiO_2<ZrO_2<Ta_2O_5、5M-NaOH中ではAl_2O_3<SiO_2<TiO_2<Ta_2O_5<ZrO_2の順に高くなることが分かった。 3.Fe_2O_3-Cr_2O_3-NiO複合酸化物薄膜の合成と耐食性評価:ステンレス鋼上の自然不働態皮膜を模擬したFe_2O_3-Cr_2O_3-NiO系複合酸化物薄膜の5M-HCl中での溶解速度と組成との関係を調べた。溶解速度は薄膜のCr_2O_3含有量の増加と共に指数関数的に減少し、このような挙動は自然不働態皮膜と類似していることが分かった。 4.Ta_2O_5-ZrO_2複合酸化物薄膜の合成と耐食性評価:自然には生成することがないTa_2O_5-ZrO_2系複合酸化物薄膜を合成し、HClおよびNaOH溶液中での耐食性と皮膜組成の関係を調べた。その結果、Ta(V)カチオン分率0.3〜0.5のTa_2O_5-ZrO_2薄膜は5M-HClおよび5M-NaOH溶液の両方に対して最も良い耐食性を示すことが分かった。 5.人工不働態皮膜被覆Feおよびステンレス鋼の耐食性評価:純FeおよびSUS304ステンレス鋼上にSiO_2薄膜を形成して耐食性の変化を調べた結果、SiO_2被覆によって耐食性を大幅に改善できることが分かった。
|