研究概要 |
ファインセラミックスは次世代産業を支える新素材の一つとして大きな注目を集めている。高温においても優れた強度・耐食性・耐摩耗性を持つため,構造性材料及び機能性材料として今日活発な研究がなされているが,この優れた特性を充分に発揮するには原料粉末の益々の高純度化が必要であり,それに伴って微量不純物元素の信頼できる定量値が必要となってくる.そこで本研究では,粉末中の不純物元素の平均濃度を求めるとともに,マイクロスケ-ルで少量の溶媒中に微量不純物を逐次抽出し,不純物元素の深さ方向の分布や化学的存在状態を調べることを目的とした。例えば,典型的なファインセラミックスの原料であるアルミナにつき,各種純度の粉末末をミリグラム量採取し,超音波(47kHz,120W)を照射しながら各種酸中に不純物元素を抽出した。遠心分離後上澄み波を黒鉛炉原子吸光法で分析し,一方残留粉末は,再度抽出一遠心分離操作を繰り返した。抽出に用いる酸は,約50℃の混酸(3M HNo_3+3M HCl)が最も効果的であり,現在これを用いて粉末粒子表面に存在する不純物元素と,粒子内部にまで存在する不純物元素とを分別定量している。また,アルミナ粉末をテフロン製分解容器で硫酸に溶解後,多種類の重金属不純物を水酸化インジウム共沈法をまたはキレ-ト抽出法で分離し,原子吸光法またはICPー発光分光分析法で定量することも検討している。
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