研究概要 |
共重合体の組成分布と分子景分布をそれぞれ独立に,かつ連続的に測定できる分析システムの開発を目的に,降温吸着クロマトグラフィー(TDAC)とサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の連続システムの設計試作とスチレン-メタクリル酸メチル共重合体への適用を研究した。TDACではシリカゲルカラムを用い,カラム温度を高温から低温に順次降下させるTDACによる共重合体の組成差分離法の手法を確立した。TDAC装置は通常のHPLC装置にプレヒートチューブ,バイパスカラムなどを付設して作成した。UV検出器波長は260nm及び233nmであり,移動相は二塩化エチレン-エタノール混合溶媒である。カラム温度60゚Cのもとで試料溶液をカラムに注入し,以後5゚Cごとにカラムを降温させて共重合体をカラムから溶出させ,CV2波長でモニターする。各温度におけるクロマグラムから,2波長のそれからは各温度における溶出物の組成を,233nmのクロマトグラムからは共重合体溶出呈を示す。ほぼスチレン組成の沿って分離された。この方法により組成差分離が出来ることを確かめた後,TDACカラムの溶出物をオンラインでサイズ排除クロマトグラフィーカラムの導き,分子量および分子量分布を測定した。SECクロマトグラムはUV検出器により2波長のもとで測定した。別に求めたカラム較正曲線から分子量及び分子量分布を計算し,組成分布と分子量分布の等高線図を作成した。このようにTDACとSECの両システムを連結することにより,TDACからのフラクションを分取することなく,SECシステムに導入し,共重合体の組成及び分子量の両分布の同時分析システムを確立することが出来た。
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