研究概要 |
初年度は量子サイズのヨウ化銀極微粒子について 1.本研究室既存のマルチチャンネル分光測光装置およびそれに付属する二液混合装置を用い,ヨウ化銀結晶の初期の成長にともなう吸収スペクトル変化を観察し, 2.三液二段階混合装置を使用し,ヨウ臭化銀でおよそ20〜30nm,ヨウ化銀ではおよそ10nmのきわめて微小なハロゲン化銀結晶粒子を安定に作成できることが透過型電子顕微鏡観察によってわかった。 最終年度はこれらの結果を踏まえ, 1.極微粒子の粒径に対するハロゲン組成,成長抑制剤としてのポリビニルアルコールの有無,混合装置や混合方法の違い等の影響を調ベ,これらの結果を応用して,より望ましい平均粒径並びに粒径分布を持つよう粒子作成制御を行った。 2.粒径制御して作成した極微粒子懸濁液に対し,金+硫黄の化学増感およびシアニン色素による分光増感を施しその写真乳剤としての特性評価を行った。 3.超精細画像形成や超高密度記録への応用として特にホログラム用超微粒子感材の作成を目標に,乳剤乾板を試作し,これに赤色レーザー光により干渉縞露光を行い,高品質なホログラムの作成に必要な解像力(5000本/mm以上)を得た。 4.さらにいくつかのシアニン色素による増感を試み,塗布量を変化させる等により,感度,最高写真濃度等を高め,市販のホログラム用感材に優る特性を持つよう種々の条件の最適化を行った。
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