研究課題/領域番号 |
03650664
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
逢坂 哲彌 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20097249)
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研究分担者 |
中村 節子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30060619)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 電解重合高分子 / 高密度電池 / MIM素子 / ポリマー電池 / ポリマ-電池 |
研究概要 |
本研究は導電性高分子薄膜を電解重合法で合成し、その膜自身の機能を発現させ、その機能発現評価を行うことを目的とし、特に高密度二次電池材料への応用を検討している。 (1)高エネルギー密度リチウム二次電池のカソード電極材料として利用するためには、導電性高分子へのイオンのドーピング現象を地用するが、これらの材料は、リチウムアノードとの組み合せにより、3V級の高エネルギー密度電池として働くことが示されている。電極材料としてはポリアニリン/ポリピロール(PPy)ポリマーを用いて両者の特徴を生かした積層カソードを作製電池特性を評価し、特徴ある機能材料かの可能性を明らかにしている。さらに、電解質として固体の高分子電解質PEO(ポリエチレンオキシド)-LiCIO_4型電解質を用いて全固体型リチウム/ポリピロール二次電池を試作し、その特性として溶液型のものと同等の特性を示すことを明らかにした。従って、全固体型はその薄膜化の可能性大なることから、今後薄膜化により、より高エネルギー密度の電池作製の可能性を示している。さらに、カソードとしてはPPy/PSS(ポリスチレンスルフォネート)複合薄膜を作製し、Li^+が電荷を担うn型カソードポリマーが非水溶液中でリチウム二次電池カソードに利用できることを明らかにした。 (2)電解重合導電性高合子をそれ自身の導電性ではなく、絶縁製膜としての可能性を考え、液晶駆動用非線形型素子としてのMIM(メタル・インシュレータ・メタル)素子作製を試みた。特にこの応用のためには前者(1)の場合とは異なり、導電性が低く、ほとんど絶縁膜が得られる膜作製条件を探求し、NaOH、NaHCO_3、Na_2CO_3等のアルカリ性溶液からポリピロール膜を重合すると、初期の膜作製後直ちに膜自身が不導体化してある厚さ(例えは0.2μm)までの成長で膜厚が停止する絶縁膜が作製できることを明らかにした。この膜はMIM素子として良好な対称的非線形スイッチング素子として働き、液晶素子を駆動させることを明らかにした。また、その時の非線形応答メカニズムはプールフレンケル機構によることを明らかにした。 (3)すでに(2)項において絶縁性膜が電解重合法で出来MIM素子として働くことを明らかにしたが、このMIM素子構造を利用して絶縁部に微量溶液を滴下しうる極微小センターの作製を試みた結果、絶縁性ポリピロール膜がOH^-イオンのみに応答することを明らかにし、MIM素子と同じく両金属電極部に電圧印加することによりアンペロメトリックな微小pHセンサーが作製できることを明らかにした。
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