研究課題/領域番号 |
03650682
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
滝田 祐作 大分大学, 工学部, 教授 (30038054)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 接触酸化 / n-ブタン酸化 / 無水マレイン酸合成 / V-P酸化物 / 助触媒 / 酸化物触媒 / nーブタン / プロパン / 助触媒効果 |
研究概要 |
n-ブタンから無水マレイン酸の合成にはV-P系酸化物が使用されている。この触媒の活性成分はピロリン酸ジバナジル、(V0)_2P_20_7であることが知られている。このV-P酸化物触媒には助触媒として種々の元素が加えられるが、それらの元素の所在、助触媒効果の発現機構は知られていない。本研究では高性能、高選択的な合成触媒の開発のため、助触媒効果の発現機構について検討を行った。その結果、結晶構造中に助触媒元素を取り込ませる新しい調製法を開発した。イソブタノール中にV_20_5固体を加えリフラックスして還元溶解した溶液中、助触媒金属元素のアセチルアセトナートを溶解したイソブタノール溶液を加え、最後に少量の水を加え、ゆっくりと溶液中に固体を析出させる方法である。この固体をイソブタノールで十分に洗浄した後、プタン1.5mol%を含む反応ガス中で活性化処理を行い、触媒反応特性を調べるとともに触媒のキャラクタライゼーションを行った。触媒粒子の組成についてEDXで観察、分析を行ったが助触媒元素のマンガンは一様に分布していた。また数ヶ所をスポット分析してみたが組成は一定であった。さらにXPXを用いたアルゴンイオンで表面を削りながら深さ方向の組成を分析したが、VとMnの組成はほとんど変化しなかった。助触媒を含む触媒の薄膜を調製し、V=0の伸縮振動に基づく赤外吸収波数を測定したところ助触媒元素の種類により吸収波数に変化が見られた。そこで、触媒反応における無水マレイン酸生成速度とV=0振動数をプロットしたところ、吸収波数が小さくなる程速度が大きくなり、ほぼ直線的な相関がみられた。このことより、上記調製法によれば助触媒元素が(V0)_2P_20_7の結晶構造の中に取り込まれること、V^<4+>より電気陰性度の小さい金属がV^<5+>のサイトを同型置換すると隣接するV=0基の酸素イオンの反応性が上昇し、触媒の酸化活性が上昇することを明らかにした。さらにピロリン酸金属塩を用いると酸化的脱水素反応によりプロパン、イソブタンから対応するプロピレン、イソブテンがかなり高い選択率で生成することを見出した。
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