研究課題/領域番号 |
03650684
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
吉冨 末彦 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20052730)
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研究分担者 |
西嶋 昭生 物質工学工業技術研究所, 機能表面化学部, 課長
小泊 満生 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052824)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 水素化分解 / 含硫黄有機モリブデン錯体 / HYゼオライト |
研究概要 |
1(1)重質残油や石炭液化油などのアップグレーディング触媒であるCo-Mo-Al_2O_3やNi-Mo-Al_2O_3などの出発原料として、第2金属種Co、Niの有機錯体を用いると水素化能がより向上することを明らかにした(1991年度)。第1金属種Moに含硫黄Mo有機錯体を用い、これと第2金属種Niの有機錯体とを組合わせることでさらに高い水素化活性が得られ、予備硫化をほどこさなくても水素化能が維持され、触媒調製の簡略化がはかれることを明らかにした。 (2)触媒のXPS測定により、上記予備硫化をほどこさない触媒の構造が、出発原料のMo錯体中に硫黄原子が含まれるため、触媒調製中に一種の自己硫化を起しており、それにより予備硫化をほどこした触媒と同程度の活性をますことを明らかにした(日化第64秋季年会、'92年度修士論文)。 (3)アップグレーディング触媒の一方の基本機能である分解能を賦与するため、前述の金属成分と固体酸担体との組合せを行った。HYゼオライト単独ではゼオライトの細孔径による影響が大で、分解能は向上しなかった。シリカ・アルミナ25とHYゼオライトの組合せにより分解能は向上し、HYゼオライト10%添加近辺に最適値があり、分解能の向上とともに生成油中の重質分の生成も低下する。また、錯体構造中のNやP原子により、担体の固体酸性が左右され、それにより分解活性が変動し、含硫黄Mo有機錯体中のPは固体酸性との相乗効果があることを明らかにした(日化第62秋季、第63春季年会)。 2水素化脱硫活性とXPSによるモリブデン系触媒の活性と表面組成との相関等についても検討した、Ni-Mo-Al_2O_3、Co-Mo-Al_2O_3いずれの触媒もNiおよびCoのバルク組成比0.5近辺で脱硫活性が最高になり、表面のNi、Co硫化物組成比はどちらの触媒も0.3近辺にあり表面とバルクで構造組成比が異なることを明らかにした(日化第65春季年会)。 3実際の油種に利用する場合の助触媒効果を触媒の表面解析および触媒化合物の熱力学的相図の面より検討した。また、これら触媒の活性低下が、油中の含酸素化合物によることも明らかにした。 4無機固体担持試薬触媒を液相有機合成反応に応用し、種々の立体選択的合成が温和な条件で進行することを見いだした。
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