研究課題/領域番号 |
03650704
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大坪 徹夫 広島大学, 工学部, 教授 (80029884)
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研究分担者 |
安蘇 芳雄 広島大学, 工学部, 助手 (60151065)
小倉 文夫 広島大学, 工学部, 教授 (90028150)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 有機電導体 / 電荷移動錯体 / 電子供与体 / 電子受容体 / ヘテロ原子 / カルコゲン原子 |
研究概要 |
研究代表者達は新規の高電導性の電荷移動錯体の開発を目指して、周期律表第16族カルコゲン原子を含む新しいタイプの電子供与体および受容体の分子設計を行っている。本研究では以下の二つのタイプの電子供与体の開発を行い、顕著な成果を得ることが出来た。 1.縮合芳香環のペリ位にカルコゲン原子の架橋を有する分子は良好な電子供与体になることが知られている。今回、1、9および4、10位に架橋を有するアントラセン誘導体および1、10および8、9位に架橋を有するフェナントレン誘導体の研究を行った。これらはカルコゲンの種類により同族体が存在している。そのうち硫黄体とセレン体は高収率でうることができたが、テルル体は生成困難であった。また、メチル、メチルチオ置換基などの修飾により多数の誘導体に導くことが出来た。X線構造解折による結晶構造にはシート状につながったカルコゲン原子の相互作用が存在し、電導性分子錯体の構成要素として優れていることが分かった。実際にTCNQなどの代表的電子受容体と高電導性の錯体を種々形成した。 2.ピレン、ペリレンなどのペリ縮環芳香環化合物は炭化水素としては比較的低いイオン化電位を持つことより、ハロゲンなどと高電導性錯体を与えると古くから知られている。これらの化合物をより一般性のある良好な電子供与体に変身させるには、その骨格内にカルコゲン原子を導入すれば良いと考えられる。そこでピレン、ペリレンと中性あるいは酸化状態で等電子構造をもつ新規複素環化合物2種を研究対象として選び、それらの合成を行った。これらの化合物も電子受容体と高電導性錯体を形成し、優秀な電子供与体であると裏付られた。
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