研究概要 |
まず、CVDプロセスの主要原料として使用されているSiH_4(シラン)とH,O,OHとの反応速度定数の測定を行った。エキシマ,レ-ザ-(193nm)を用いてH,O,OHを発生させた後これらの減襄速度を真空紫外および紫外領域における波長可変レ-ザ-を光源とするレ-ザ-誘起螢光法を用いて直接速度定数を決定することができた。 続いて上記反応系の後続過程として最も重要なSiH_3(シリルラジカル)の反応性について検討した。特にCVD過程中でその寿命を支配する主要な反応としてSiH_3+SiH_3およびSiH_3+O_2の反応系を今回の研究対象として採り上げた。いずれもその反応機構に関してはこれまで直接生成物分析を含めた直接的検討は行われていない。我々はレ-ザ-誘起発光法および新しく我々が開発したNearーThreshold EI Mass Spectroscopy法を併用しこれまで確認されたことがないSi_2H_4,SiH_3O等の反応中間種の検出を含め多数の主要な反応種を実時間で追跡し,初めてこれらの反応機構の主要な部分を明らかにすることができた。我々の研究で明かにされた主な成果の要点は,(i)SiH_3+SiH_3反応における多数の反応分岐に関する直接的決定を行いまた速度定数を決定したこと,(ii)Si_2H_4反応性に関する直接的検証を行ったこと,(iii)SiH_3+O_2の反応速度定数の決定および多数の並列して進行する反応素過程の分岐比を直接決定したこと,特にこの反応で主生成チャンネルが,SiH_2O_2+Hであることを確認し,従来の反応機構に関する推定を根本的に否定する結果を得たこと,(iv)SiH_3Oというこれまで確認されていない重要な反応中間種を確認しその反応性を検討したこと,等である。
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