研究課題/領域番号 |
03650791
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発酵工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浅見 耕司 京都大学, 化学研究所, 助教授 (90127936)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 発酵 / 誘電測定 / 生物細胞 / 菌体量 / 電気容量 / 誘電モニター法 / 誘電モニタ-法 |
研究概要 |
この研究では醸造などの発酵過程をオンラインで誘電的にモニターする方法を開発した。得られた主な成果を次に個条書する。 1.生物細胞は抵抗が高く非常に薄い細胞質膜で囲まれているため、電場下に置くと、媒質や細胞質との界面にイオンがきにたまり分極を生ずる。このため、細胞はみかけ上大きな誘電率を示す。従って、細胞懸濁液では細胞の濃度にほぼ比例して電気容量が変化する。このことを利用すると、電気容量から細胞の濃度を求めることができる。この方法を実際の発酵系に適用するために(1)最適測定周波数の選択、(2)電極分極によるアーチィファクトの除去、(3)リード線による残留インダクタンスの補正、(4)電極の形状や金属の選択等の検討を行った。この結果、発酵液中の細胞濃度を誘電的にオンラインで測定できることが明らかになった。さらに、この測定法は酵母懸濁培養系、固定化酵母バイオリアクター系、動物細胞マイクロキャリアー培養系など様々な培養系に適用できることが判り、大変汎用性の高い優れたモニター法と言える。 2.死細胞は膜のイオン透過性が高いため、電場下で分極がほとんど起こらず、生細胞のように大きな見かけの誘電率を示さない。このため醸造過程の後半で死細胞が増加して行くような系では、電気容量の減少が観測されることが期待できる。実際、醸造酵母で調べたところ電気容量の減少が観測され、この電気容量の減少量より得た死細胞の割合はメチレン・ブルー染色により求めた値とかなり良い一致を示していた。このことからこの誘電モニター法では生/死細胞の比率についての情報も得ることができることがわかった。
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