研究課題/領域番号 |
03660002
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
阿部 利徳 山形大学, 農学部, 助教授 (80202670)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 葉緑体DNA / ミトコンドリアDNA / RFLP / イネカルス / 植物体再分化 / 培養変異 / 挿入 / 欠失 / 分子育種 / 再分化植物 / オルガネラDNA / サザンハイブリダイゼ-ション |
研究概要 |
イネの組織培養による変異について制限酵素断片長多型(RFLP)を分析することにより検出した。イネ6品種のカルスおよび再分化植物とその後代系統を用い、葉緑体DNAの2種のプロープ、ミトコンドリアDNAの8種のプロープによって、変異の検出を行った結果、以下のことが明らかになった。 1.イネカルスでは継代培養4ヶ月のもので葉緑体DNAおよびミトコンドリアDNAともに変異が認められ、長時間培養するにしたがって変異カルスの割合が増加した。長時間培養したカルス(33回継代後)における変異した固体数の割合は、用いるプロープによってまた品種によって大きく異なり、葉緑体DNAのpst2の断片をプロープにした場合は12〜22%、ミトコンドリアDNAのatp6をプロープにした場合は26〜37%であった。ミトコンドリアDNAではrrn26でも変異は認められたが、その他のプロープでは検出できなかった。 2.カルスからの再分化植物およびその後代植物のオルガネラDNAのRFLPを分析するとカルスで見られたのと同様の変異が認められた。このことからカルスでの変異が、そのまま再分化当代植物や後代植物に受け継がれることが明かとなった。但し、カルスの場合と違い、変異固体の出現率は低くいずれも10%以下であった。 3.変異の型でみると、葉緑体DNAおよびミトコンドリアDNAとに、正常の分子種の他に正常とは異なった分子種(DNA断片)が認められる型が最も多かった。個体によっては葉緑体DNAのpasAおよびpasB領域やミトコンドリアDNAのrrn26領域をプロープに用いたときに見られるように、あるDNA領域の明らかな欠失や挿入の伴う変異も観察された。今後これらの変異と転写・翻訳への影響、タンパク質の変異、さらに実用形質との関係を明らかにしていく必要がある。
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