研究概要 |
本研究は砂丘畑において希釈水(淡水,海水の混合水)を作物栽培の潅漑用水としての実用性を検討すると同時に,海水中に含まれる無機成分の積極的な利用の可否を目的とした2ヶ年の研究である. 海水利用の作物栽培研究はホウレンソウ,パクチョイ等の葉菜類を栽培した. その結果希釈水の有効性を確定する事が出来なかった.研究結果を詳しく解析の途中で,塩水潅漑のように,塩類を多く含んだ潅漑水は土壌中の水分含量と希釈濃度の間に非常に大きな問題を有することが発見された.この問題を解決するための研究に着手した. 以上の考えのもとに作物栽培のための砂丘地用土壌水分センサーを開発しその実用性について検討した. 作物栽培のための土壌水分測定法はテンシオメータ法を採用したが,その結果現在市販されている機器は温度による測定値の変化が大きく土壌水分監視センサーとしては使用出来ない事が判明した.そのため温度に対し測定値が変化しないセンサーの開発に着手した.本研究はこのセンサー改良に多くの時間を使用する結果となった.センサーの開発経緯と特性については後日学会誌に掲載予定である. 次にセンサー開発後の季節と時間の関係上,作物はレタスを用いて温室の中で栽培実験を行った.その結果,砂丘砂を用いたベット栽培でセンサーを使用した完全な自動潅水ができることを,短期間の裁培実験結果ではあるが実証出来た. また,水管理と同時にVA菌根菌の乾燥耐性強化についても同時に調査した結果,水管理はほぼ理想的な管理が自動的に出来たがVA菌の耐乾強化作用については明白な結果は得ることが出来なかった.
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