研究課題/領域番号 |
03660037
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
安藤 喜一 (1993) 弘前大学, 農学部, 教授 (20003775)
正木 進三 (1991-1992) 弘前大学, 農学部, 教授 (00003418)
|
研究分担者 |
正木 進三 弘前大学, 名誉教授 (00003418)
安藤 喜一 弘前大学, 農学部, 教授 (20003775)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 休眠 / 翅型 / 光周反応 / 生物時計 / コオロギ / イナゴ / ヨトウガ / 選択 / 遺伝 / 概日振動系 / マダラスズ / 光周性 / 地理的変異 / 人爲選択 / 脱皮回数 |
研究概要 |
1・マダラスズ種群には、熱帯、亜熱帯、温帯に適応した卵休眠の地理的クラインが見られるが、石垣島の集団からの選択によって、休眠率および休眠深度の異なるクラインを再現することができた。しかし選択によって休眠期間の最大値は変化したが、それに平行した最小値の変化は見られず、卵期150日を選択目標とした系統においても、休眠卵と不休眠卵の孵化期は明瞭に分離しなかった。したがって休眠深度の大きい系統ほど、選択によって卵期間の変異幅が増加するという、一見矛盾した傾向を生じた。この原因の探求は、今後に残された重要な課題である。 2.ミナミマダラスズの24母系の翅型光周反応を解析し、臨界日長の変異は形質誘導能の量的変異の反映で、光周時計の変異の表現ではない、と結論した。長翅系統は、光周期以外の信号刺激(温度、密度など)にたいしても、短翅系統よりも高い反応率を示した。選択の条件を変えて、12〜13時間の臨界日長を11〜12時間に短縮あるいは13〜14時間に延長する選択を試みると、短縮効果はある程度えられたが、10世代の間には臨界日長の増加は実現せず、翅型誘導能のみが変化した。 3.ヨトウガの蛹休眠を支配する光周反応において、共鳴効果の発現にたいする温度の影響、二相安定反応に対する同調効果、自由進行効果などを検討した。その結果、実験条件によって、振子型あるいは砂時計型の反応が現れた。光周期を測時する機構はおそらく砂時計型であり、休眠決定の機構に概日系がかかわっている。両者の関係のあり方が環境条件によって変化し、それに応じて光周反応の表現が変わるのではないか、と推定した。 4.コバネイナゴの越冬卵の孵化期のばらつきの原因を探るため、自然条件下における休眠状況を調べた。成虫の産卵期が長期にわたるため、冬になるまでに休眠期に達しない卵がかなり発見されたが、従来の知見とは異なりそれらの卵の胚子が休眠以前の初期発育の段階であっても、越冬できる事がわかった。この場合には越冬後に休眠を経過するので、孵化期が遅れる。さらに越冬後の湛水によっても孵化が抑制され、秋に若令幼虫が出現する要因となることがわかった。
|