ヒト染色体DNAを制限酵素Sau3Aで部分消化し、コスミドpWE15に挿入したライブラリ-を作成し、ヒト・スカベンジャ-cDNAをプロ-ブとして、スクリ-ニングを行なった。得られた陽性クロ-ンから、cDNAの最も5'側の配列に相当するオリゴヌクレオチドをプロ-ブとして、プロモ-タ-領域を含むと考えられるクロ-ンを得た。このクロ-ンを制限酵素XhoIで切断し、サザンハイブリダイゼ-ションの結果、プロモ-タ領域を含むと考えられた6kbのDNA断片をpBluescript IIにサブクロ-ニングした。サンガ-法により塩基配列を決定し、第一エクソンのアンチセンス鎖に相当する合成オリゴヌクレオチドを用いてプライマ-伸長法、アシンメトリックPCR法でアンチセンス鎖を合成しS1マッピングを行った。 プロモ-タ-領域の約700bpの塩基配列を決定したところ、典型的なTATA BOXやCAAT配列は認められなかった。プライマ-伸長法及びSlマッピングで決定された転写開始点の上流-38〜-18塩基の部位に2ヶ所のTATA BOX様配列TATTGAAA、ATAAGAAAが存在した。また、APー1や既知のオクタマ-配列等は認められなかった。厳密なTATA BOXがなく、二ヶ所のTATA BOX様配列が存在することにより、スカベンジャ-受容体においても転写開始点が一ヶ所ではないことが示唆された。 現在、プロモ-タ-領域の転写効率に及ぼす活性を測定するため、デリ-ションミュ-タントを作製しているところである。
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