研究課題/領域番号 |
03660138
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小田 順一 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027041)
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研究分担者 |
田中 琢治 京都大学, 化学研究所, 助手 (40227145)
加藤 博章 京都大学, 化学研究所, 助手 (90204487)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | グルタチオン合成酵素 / タンパク質工学 / ペプチド合成 / 部位特異的変異導入 / 基質認識 |
研究概要 |
これまでに、グルタチオン合成酵素・基質複合体の結晶構造解析から推定されたγーグルタミルシステイン結合部位の解析により、γーグルタミルシステインはArg86とArg210の間に存在し、Thr288によってシステイン部分が認識されること、活性部位の近傍に位置するフレキシブルループがグリシンの認識に関与していることが判明した。 Adenosine(5')polyphospho(5')pyridoxalを用いたAffinity Labelingの結果、修飾される残基は結晶構造解析によって示されたATPの結合部位近傍に全て存在すること、修飾試薬との複合体酵素の結晶解析によって示された修飾試薬の結合部位がATPの結合部位と一致することから、ATPの結合部位が決定された。 フレキシブルループがグリシンの認識に関与していることからループを欠損した酵素ではグリシン以外のアミノ酸を基質とすることが示唆されるため、グリシン以外の基質による反応を試みた。その結果、野生型酵素ではグリシンの他にグリシンメチルエステルやグリシンエチルエステルをグリシンの半分程度の活性で取り込むことが出来る。一方、ループ欠損型酵素はグリシンのエステルをグリシンよりも高い活性で取り込むのみならず、野生型が基質としないグリシンアミドやグリシルグリシンを活性は低いながらも基質と出来ることが示された。 また、ループ上への変異の導入によるループの内部構造の変化にともない酵素の分子活性が大きく変化すること、ループ上のArg233がγーグルタミルシステインの結合に関与していること等の結果から、ループの内部構造がγーグルタミルシステインとATPの結合部位における配向に関与し、基質が反応し易い配向をとることに関与していることが判明した。 これらの結果から、ループ構造の改変やγーグルタミルシステインの結合部位の改変により基質としてγーグルタミルシステインやグリシン以外のペプチド、アミノ酸を高い効率でとり込むことのできる変異型酵素が作製できると考えられる。
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