研究課題/領域番号 |
03660180
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
麦谷 泰雄 北海道大学, 水産学部, 助教授 (50001615)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ビテロゲニン / 細胞培養 / エストロゲン / イライザ-法 / 甲状腺ホルモン / ニジマス |
研究概要 |
目的:魚類の卵黄成分の合成機構を明らかにするために、ニジマス肝細胞の初代培養系を用いて、エストロゲンによるピテロゲニン(Vg)の合成誘起条件について検討し、甲状腺ホルモン(T_3)の影響を調べた。 方法:ニジマス(200〜300g)を用い、肝臓をコラゲナ-ゼを含むリンゲル液で潅流し、肝実質細胞を集めた。この細胞を10^6/mlの割合でデッシュに移し、インシュリンを含むLー15無血清培地で培養を試みた。培養2日後にエストラダイオ-ル-17β(E_2)を種々の濃度で加え、肝細胞によるin vitroでのVgの合成分泌の有無を調べた。培養液のVgの同定はSDSーPAGE電気泳動法およびイムノプロット法により、定量はELAISA法によった。さらにT_3添加の影響も調べた。 結果:培養肝細胞は一部重層状態に成ったが、E_2添加24時間後、分子量175000の蛋白質が培養液に出現し、これはイムノプロット法によりVgと確認された。この時のVgの濃度は約50ng/mlであったが、その後経時的に増加し、120時間後で1.6μg/mlに達した。産生されたVg量はE_2の濃度により異なり、10^<-9>Mー10^<-6>Mでは濃度依存性に増加したが、10^<-5>Mではむしろ低下した。T_3(10^<-7>M)の添加によるVg合成の促進効果はなかった。 これらのことから、in vitroでVgの合成が可能なことが分かったので、この手法を用いてVgの合成に及ぼすE_2と成長ホルモン、プロラクチン等の相乗効果を継続して調べている。またVgの合成には多量のカルシウムが必要であるが、Vgの産生に及ぼす培養液のカルシウム濃度の影響については、低カルシウム条件下での培養方法を現在検討中である。
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