研究課題/領域番号 |
03660182
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 博明 東京大学, 農学部, 助手 (40223268)
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研究分担者 |
福代 康夫 東京大学, 農学部, 助教授 (10165318)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 従属栄養 / 渦鞭毛藻 / Protoperidinium / Gyrodinium |
研究概要 |
東京湾および広島湾で採集した試料で、餌生物の捕食が観察された渦鞭毛藻はProtoperidinium属の種が最も多く、ついでディプロプサリス科に属する種が多かった。これらの中で、Protoperidinium pellucidumとOblea rotundataは、デトリタスを含む多種類の対象を捕食していたが、この他の渦鞭毛藻では捕食対象種が1〜2種であるものが多かった。また、Protoperidinium属、Gyrodinium属の渦鞭毛藻では珪藻を捕食している細胞の比率が著しく高かった。この他に、PolykrikosによるScrippsiella捕食、ProtoperidiniumによるCeratium捕食など従属栄養性渦鞭毛藻による独立栄養性渦鞭毛藻の捕食も観察された。Protoperidinium属の4種とGyrodinium属の2種について、それぞれの種と培養珪藻1種との混合培養を行い、捕食行動と増殖の有無を観察した。実験対象とした渦鞭毛藻の種類と実験時期によって、捕食対象となるか否かを実験した珪藻の種類数は若干異なり、10〜14種であった。海域で採取した試料中では捕食が観察される種類の珪藻でも、培養細胞を用いると渦鞭毛藻による捕食はほとんど観察されなかった。また、いくつかのクロ-ンが培養珪藻を捕食して増殖したP.leonisでも、培養は4週間前後継続しただけであった。鞭毛藻を餌料として確立されているGyrodinium培養株から、Gyrodiniumのみを分離して培養珪藻に対する捕食実験を行ったが、実験に用いて12種の珪藻に対する捕食行動は観察されず、Gyrodiniumは1週間以内に死滅した。Gyrodiniumと珪藻の混合培養系では、珪藻が容器の底に沈んでいるのに対して、Gyrodiniumは培養液の表面近くに集中し、容器の底に接近する細胞はわずかであった。このため、今後の培養実験ではGyrodiniumを珪藻に接近させ、捕食の機会を高めるためには、容器の振盪などによって珪藻を培溶液中にに懸濁させる必要があると考えられる。
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