研究課題/領域番号 |
03660221
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河相 一成 東北大学, 農学部, 教授 (60006012)
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研究分担者 |
横山 英信 東北大学, 農学部, 助手 (70240223)
冬木 勝仁 東北大学, 農学部, 講師 (00229105)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 食糧政策 / 食糧管理制度 / 米流通 / 米市場 / 米需給 / 米価 / 米穀卸売業者 / 米穀小売業者 / 自主米機構 / 食管制度 / 価格形成 / 使用価値 / 品質 / 産地間競争 / 規制緩和 / 卸の大型化 / 売り手の分散化 / 品質格差 / 価格差 / 産地品種銘柄 / 入札 / 落札 / 米新市場 / 取引価格 |
研究概要 |
本研究では、自主流通米価格形成機構による米取引構造の実態と問題点、その構造の中心をなす米卸売・小売業者の動向を明らかにし、全体として食糧管理制度、米流通がどのように変貌しているのかを解明することを目的としたが、以下の点で新たな知見が得られた。 1.自主流通米価格形成機構による入札取引の導入は需給調整、価格形成の面で米市場構造を大きく変貌させた。1969年に自主流通米制度が導入される以前は需給管理、価格形成は専ら政府の手に委ねられていた。自主流通米制度導入以降も政府は、政府米については直接、自主流通米については生産者団体である全農を通じて間接的に需給調整、価格形成に関して指導できる体制を保ってきた。しかしながら、入札取引の導入以降、需給調整、価格形成は主として市場原理に委ねられるようになった。 2.入札取引の導入に先立つ一連の米流通規制緩和措置によって、米の卸・小売業者は商業資本として成長しつつあった。入札取引においては、かかる業者らが主導権を握り、市場原理に基づいて需給調整、価格形成が行われるようになった。このような状況は、米の生産地同士での産地間競争をもたらし、農家経営、農協にも大きな影響を及ぼしている。 3.総括的に現段階の米流通市場の状況についてまとめれば、公的管理市場が自由市場に再編される過程であるといえよう。この過程の中で、食糧管理制度による日本の米の安定供給体制が崩れつつあり、今後新たな米の民主的、公的管理制度の構築が必要である。 4.今後、ガット・ウルグアイ・ラウンドでの農業合意に基づく米の恒常的輸入や食糧管理法の廃止、新法の制定などの状況をふまえて、更に研究を展開する必要がある。
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