• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

新概念による農業と工業部門間交易条件の定式化と経済発展過程の分析

研究課題

研究課題/領域番号 03660232
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 農業経済学
研究機関大東文化大学

研究代表者

本台 進  大東文化大学, 経済学部, 教授 (70138569)

研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワード農家所得対勤労者世帯所得比率 / 労働生産性成長率 / 農家の非農業経済活動 / 農業余剰 / 工業部門資本形成の源泉 / 農業部門過剰労働力 / 産業間構造調整
研究概要

工業では需要が弾力的であるため、供給曲線が技術進歩によりシフトしても価格の低下率は小さい。逆に需要数量の増加率は大きく、総収入は大幅に増大する。農業では需要が非弾力的であるため農産物供給曲線がシフトすると、農産物価格は著しく低下する。従来の農業工業間交易条件は生産物価格比として定義されていて、これは農産物価格政策、為替政策、貿易政策による影響を受ける。しかしこの交易条件の変化に最も重要な影響をおよぼす要因は、農業と工業の労働生産性成長率の差である。すなわち労働生産性成長率の大きい部門に対して交易条件は悪くなる。したがって交易条件がある部門に対して悪くなることと、その部門の経済的パ-フォマンスの良否とは一致しない。さらにこの交易条件は価格統制の強い経済では有効ではない。
従来の交易条件に対して、ここでは農家所得と勤労者世帯所得の比率を交易条件として定義する。この概念は(1)両部門の労働生産性成長率および(2)農家による非農業活動を考慮に入れることができる点で、従来の概念よりある部門の経済的パ-フォマンスをより適格に表現している。農家経済活動は、農業生産だけでなく、多くの非農業経済活動をも含み、後者による所得は無視できない割合になっている。
このように定義すると、経済発展が順調に達成できるためには交易条件が農業に対して、農業での過剰労働力がなくなるまで、わずかに悪くなることが望ましい。これにより工業資本形成の源泉である農業余剰は工業へ移動し、また農業での過剰労働力も工業へ移動し、産業間構造も順調に変化していく。なお今後、この概念による交易条件を多くの国との経済発展過程の分析に利用し、その有効性を確認する必要がある。

報告書

(1件)
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 本台 進: "産業構造調整政策の課題と展望" 頼平教授退官記念論文集『国際化時代の農業経済学』. (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 本台 進: "為替交換比率と農産物価格政策:東南アジアとサブサハラ・アフリカの比較" 大東文化大学経済論集.

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

URL: 

公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi