研究概要 |
豆類(小豆、大正金時、大手亡)の有効熱伝導率、密度、平衡含水率、さらに乾燥特性の測定を行った。 1.豆類の有効熱伝導率の測定 試料豆の含水率、温度を変え、豆類の含水率に関しては5,10,15,20,25%(w.b.)の5段階、温度に関して10,20,30,40,50℃の5段階で測定された。豆類の熱伝導に関して、各設定温度ごとに有効熱伝導率と含水率の関係を最小二乗法を用いて当てはめを行ったところ、ほぼ一次の関係があることが分かった。また、温度に関しても小豆についてはほぼ一次で表される傾向であった。 2.豆類の熱膨張係数と水分膨張係数の測定 置換液体としてトルエンを用いるピクノメータ法により、豆類の密度を測定した。豆類の含水率に関しては0〜25%(w.b.)で5%ごとに6段階、温度に関しては10〜50℃で10℃ごとに5段階でそれぞれ測定された。また、測定された密度の値は乾量基準の比容積に換算され、その比容積と含水率および温度との関係が求められた。この結果を利用することにより、熱膨張係数、水分膨張係数が得られた。 3.豆類の平衡含水率の測定 静的測定法により、脱離(乾燥)過程における豆類の平衡含水率の測定を行った。測定は30〜60℃の4段階の温度で行われ、3つの平衡含水率式へ当てはめ、整理を行った。吸湿過程とのヒステリシスの問題は今後の課題として残された。 4.豆類の乾燥特性の測定 豆類の乾燥特性の測定は、乾燥空気の温、湿度そして風量を制御し、薄層状態において平衡に達するまで行われた。測定は、温度が25,30,35,40,45℃の5段階で行われ、試料の温度は乾燥開始から約30〜60分で乾燥空気温度とほとんど一致した。測定された質量の変化は乾量基準含水率の変化に換算された。含水率は相対含水率(M-Me)/(M_0-Me)で表され、これより乾燥速度定数と乾燥モデルが決定された。
|