研究課題/領域番号 |
03660318
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研, 助教授 (80159582)
|
研究分担者 |
小俣 吉孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10132987)
齋藤 篤志 (斉藤 篤志) 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10002263)
鈴木 直義 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研, 教授 (10003071)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | マウスマベシア / 防御免疫 / CD4陽性T細胞 / ガンマーインターフェロン / 非特異的免疫 / 交叉反応性抗原 / 腎障害 / 免疫病理 / バベシア原虫 / 感染防御 / CD_4陽性細胞 / ガンア-インターフェロン / 赤血球内寄生原虫 / 感染防抑 / CD4^+細胞 / 感染防御免疫 |
研究概要 |
ピロプラズマ病は家畜に大きな被害を与えているが、効果的な治療及び予防法は確立されていない。このため有効で安全なワクチンの開発のための基礎研究として、本研究は実験的マウスバベシア病を用いて防御免疫を担う細胞とその機構を明らかにすることを目的として計画された。また、肝臓障害について臨床病理及び免疫病理学見地から検討した。 B.rodhainiは致死性の原虫で、マウスに感染させると全例死亡するが、感染後化学治療を行ったマウスに再感染を行うと、低い原虫血症を示した後75%のマウスが生残し、抗体が再感染防御に重要であることが示された。一方、同様の経過を経て再感染に生残したマウスにもう1度感染させると、殆ど原虫血症を示さずに100%生残し、CD5とCD8陽性細胞が重要な役割をはたしていることが示された。一方、非致死生のB.microti感染においては、、ヌードマウスやSCIDマウスを用いた実験結果よりT細胞の重要性が示唆された。BALB/cマウスに抗CD4モノクローナル抗体(mAb),抗CD8mAbを投与しB.microtiを感染させたところ、抗CD4mAb処理マウスが高い原虫血症を示した。また、非処理および抗CD8モノクローナル抗体処理マウスの培養上清に高いIFN-γが認められたが、抗CD4モノクローナル抗体処理マウスでは認められなった。更に抗IFN-γモノクローナル抗体と抗IL-4モノクローナル抗体で感染マウスを処理したところ、抗IFNγモノクローナル抗体処理マウスにおいて高い原虫血症を認めた。これらの結果よりCD4陽性細胞群によって産生されるIFN-γがB.microti感染の原虫の排除の初期に部分的に関与することが明らかとなった。さらにバベシア免疫マウスより得られたモノクローナル抗体は、70,30kDaの抗原を認識し、マウスに投与することにより、B.microti及びB.rodhaini感染における原虫血症の遅延が認められた。また、ネコを終宿主とする胞子虫類Isospora felisがB.microti初感染に対して非特異的感染防御能を賦与することが示された。 また、バベシア原虫の宿主への障害性について検討した所、致死性のB.rodhaini及び非致死性のB.microtiのマウスに対する障害性を肝臓、腎臓につき臨床病理、病理学的に比較した。B.rodhaini感染ではB.microti感染に比較し障害の程度が高く、ヘモグロビン尿症、高分子の蛋白質が顕著であった。光・電顕的検索では高電子密度の沈着が認められ、原虫抗原、抗体、補体の存在により免疫複合体であることが推察された。
|