研究課題/領域番号 |
03660326
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
荒川 皓 大阪府立大学, 農学部, 教授 (50128758)
|
研究分担者 |
深田 恒夫 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80081595)
馬場 栄一郎 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (70081594)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | Eimeria tenella / Salmonella typhimurium / mannose / 接着 / レクチン |
研究概要 |
Eimeria tenella(ET)感染盲腸ではSalmonellaの属する腸内細菌科の菌種やClostridium(CL)が増加する一方、Bacteroides(BA)やBifidobacterium(BI)が減少する。この時、腸管粘膜表面に対する各菌の接着性は腸内での菌数の増減に一致して変化する。ETが感染した盲腸表面における糖残基の量的な変化と細菌の接着性との関係を、特にSalmonella typhimurium(ST)について調べる目的で実験を行った。 1)無菌鶏の盲腸を取り出し、腸内容を洗浄後、予め糖液で処理したST浮遊液を注入した。42℃で15分間反応後、接着しなかった菌を洗浄して盲腸壁1g当りに接着したST数を測定した。試験した4種類の糖のうちDーmannnose(DーM)のみに接着菌数の減少がみられた。2)無菌鶏にETの胞子形成オ-シストを経口投与し、7日後に得た盲腸について同じ試験をした。STは非感染盲腸より多く接着し、やはりDーMのみがこの接着を阻害した。3)ET感染盲腸におけるCL、BAおよびBIの接着性に及ぼすDーMの影響を調べた。DーMは、CLとBIの接着菌数には影響を与えなかった。4)ET感染盲腸表面における糖残基の増加を調べた。感染盲腸のパラフィン切片を作成し、ペルオキシダ-ゼで標識した8種類のレクチンを反応させ、糖残基の存在部位を光学顕微鏡下で観察した。DーM残基に特異的に結合するConcanavaline AとLens culinaris agglutininが反応し、非感染盲腸では粘膜表面に低密度ながら均一に結合するのに対し、ET感染盲腸では傷害を浮けた細胞周囲およびETの周囲に特異的に結合した。 [まとめ]ETが感染した盲腸では傷害部に呼応してDーM残基が増加し、これがSTの接着菌数を上昇させ、結果的に腸管内での菌数を増加させると考えられる。ET感染時におけるその他の菌種の接着菌数の変化についてはDーM残基の増加では説明できなかった。
|