研究課題/領域番号 |
03670011
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
片岡 勝子 広島大学, 医学部, 教授 (30034002)
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研究分担者 |
河野 恵理 (森野 恵理) 広島大学, 医学部, 助手 (70230141)
山本 正夫 広島大学, 医学部, 講師 (00109399)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 胃腸粘膜 / 組織形成 / 細胞分化 / 外分泌細胞 / 閉鎖結合 / ギャップ結合 / 粘膜防御 / 胃癌 / 細胞分裂 / 胃潰瘍 / Oーグリコシル化 / ゴルジ装置 |
研究概要 |
1.胎生期、平坦な胃腸粘膜に突起(腸絨毛)や管状陥凹(胃小窩、胃腺、腸陰窩)が形成される際には、二次連結複合体と上皮内腔の形成および伸長が中心的な役割を果たす。次いで、間葉が上皮を分けて、単層上皮で覆われた突起や管状陥凹を形成する。 2.胎生期、小腸に吸収上皮細胞が分化すると同時にギャップ結合が現われ、急速に大きさを増す。出生後の細胞更新過程においては、腸陰窩の未熟吸収上皮細胞には大きなギャップ結合が見られるが、絨毛の成熟した吸収上皮細胞にはギャップ結合はほとんどない。これはギャップ結合は吸収上皮細胞の分化・成熟にはかかわっているが、成熟した細胞の吸収機能にはほとんど関係がないことを示唆する。 3.固有胃腺において副細胞から主細胞が分化するさいには、ほとんど全ての分泌顆粒を開口放出した後、より粘液産生の少ない細胞になるという過程を繰り返して、最終的に粘液を分泌しない主細胞になる。 4.遠位結腸には杯細胞とvacuolate細胞という二種類の粘液分泌細胞があり、げっ歯類では個体発生時期を通じて、前者は硫酸化シアロムチンを、後者はアシル化シアロムチンを分泌する。 5.胃の表層粘液細胞は、胃小窩の下部から粘膜表面に向って移動、成熟するが、同時にギャップ結合も大きくなる。 再発性胃潰瘍の患者では、正常人に比べて、表層粘液細胞間のギャップ結合の発達が著しく悪い。このことは、ギャップ結合による表層粘液細胞間のコミュニケーションの低下が粘膜のホメオスターシス維持機構の破綻をきたし、粘膜防御能を低下させたことを示唆する。 6.正常および胃癌の組織形成過程において、副・幽門腺様細胞と平滑筋束の相互作用が、互いの細胞分化と腺管の伸長に関わっていることが示唆された。
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