研究課題/領域番号 |
03670012
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
|
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
岡田 暉彦 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00025628)
|
研究分担者 |
小林 俊博 高知医科大学, 医学部, 助手 (40153621)
瀬口 春道 高知医科大学, 医学部, 教授 (90030866)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 血管条 / カチオン化フェリチン / 酵素組織化学 / ACPase / TMPase / ブレフェルデインA / Na-K-ATPase / Ca-ATPase / Mg-ATPase / CaーATPase / MgーATPase / NaーKーATPase |
研究概要 |
モルモット内耳血管条の辺縁細胞の内リンパ液代謝に働く役割について、カチオン化フェリチン(CF)の取り込みと組織化学的方法により検討した。蝸牛管基底回転に開けた小窓より連続的に人工内リンパ液に溶解したCFを注入し、経時的に辺縁細胞によるCFの取り込み過程を観察した。 辺縁細胞の自由表面には多量のCFが附着し、これらは被覆小胞により活発に取り込まれた。次いで、CFは種々の形態を示すエンドゾームに集められた。CF注入後1時間ではCFは内腔に小型の小胞を持つ大型のエンドゾーム、いわゆる多胞小体に大量に取り込まれ、更に2時間後には内部に顆粒状物質や膜の遺残物を密に持つエンドゾームに集積され、細胞基底部に送られる様子がみられた。この過程において、細胞頂部に多数みられる頂部小胞には一部にCFの取り込みがみられ、被覆小胞に取り込まれたCFは、多胞小体を含むエンドゾームに集積され、一部は頂部小胞に、一部はライソゾームに送られるものと思われる。 CFを2時間取り込ませた血管条の酸性ホスファターゼ(ACPase)とトリメタホスファターゼ(TMPase)活性の局在を検討した。その結果、CFを取り込んでいるすべてのエンドゾームはTMPaseの強い活性を示した。しかし、ライソゾームの代表的な標識酵素であるACPase活性はCFを取り込んだ構造には全く検出されなかった。更にACPase活性を示す構造にはCF粒子は全くみられなかった。また、エンドゾームとライソゾームの融合を阻害するブレフェルデインAの投与によってもCFの取り込みとエンドゾームへの輸送の過程は阻害されなかった。 これらの結果より、辺縁細胞はCFを取り込み、すばやくエンドゾーム系へ送るが、ライソゾーム系での処理は比較的ゆっくりと行われるものと考えられる。
|