研究課題/領域番号 |
03670014
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
加藤 征治 大分医科大学, 医学部(解剖学), 助教授 (60034956)
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研究分担者 |
近間 英樹 大分医科大学, 医学部(外科学), 助手 (40244165)
安永 昭 大分医科大学, 医学部(外科学), 助手 (10210270)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | リンパ管 / 5'-ヌクレオチダーゼ / 酵素組織化学 / 血管 / アルカリ性フォスファターゼ / 微小循環路 / 走査電子顕微鏡 / 透過電子顕微鏡 / 5'ーヌクレオチダ-ゼ / アルカル性フォスファタ-ゼ |
研究概要 |
(1).実験動物(囓菌類・サル等)の各組織(胃・腸管系、胸腺・甲状腺等)を用いて、毛細リンパ管と毛細血管の酵素活性の組織化学的検索を行い、「5'-nucleotidase-alkaline phosphatase二重染色法」を開発し、両者の組織化学的染別・同定法を確立した。この染色法は、5'-nucleotidase(5'-Nase)活性はリンパ管に高く、血管に低いこと、一方、alkalinephosphatase(ALPase)活性はリンパ管に低く、血管に高いという両者の酵素活性の差に基づいている。 (2).本研究における開発点は、5'-Nase反応液にL-tet晋amisoleを加えて、非特異的ALPase反応を阻止することにより、特異的な5'-Nase反応を得て、リンパ管の5'-Nase染色性を高め、二重染色によるリンパ管と血管の染別を、より明確にしたことである。 (3).リンパ管と他の構造(組織間隙など)との区別を見誤りのないようにするため、観察する組織構造を充分に保存する目的で、低温樹脂(JB-4)切片および低温重合パラフィン(軟パラ)切片を用い、きわめて良好な結果を得た。また、本二重染色法を、ヒト大腸疾患(感染症・癌腫等)の組織にも応用し、その有効性が示された。 (4).さらに、本二重染色法を、腸間膜・大網・胸膜・心膜・横隔膜などの薄膜や滑膜の伸展標本に試み、それら漿膜下(中皮下)組織におけるリンパ管と血管の微細分布を明らかにすることができ、その応用性が広まった。 (5).リンパ管の5'-Nase活性の局在を知るため、組織をマイクロスライサーで薄切(約50〜70μn)し、5'-Nase反応(鉛法・セリウム法)後、透過電顕観察した。5'-Nase活性は、両法ともリンパ管内皮の管腔側(一部基底側)の膜表面に検出された。尚、反応産物の疎密・連続性においては、セリウム法が鉛法より優れていることが確認された。 (6).また、上記光顕観察とともに、5'-Nase反応した凍結ブロック(切片面)や伸展標本を走査電顕試料とした反射電子像の観察法(組織化学SEM法)を開発し、組織内リンパ管の三次元的構築を明らかにすることができた。
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