研究課題/領域番号 |
03670041
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
吉富 宏治 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60137354)
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研究分担者 |
今井 正 自治医科大学, 医学部, 教授 (40049010)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非選択性カチオンチャネル / カルシウム輸送 / 尿細管 / 太いヘンレ上行脚 / 接合尿細管 / ジヒドロピリジン / 副甲状腺ホルモン / サイクリックAMP / 非選択性陽イオンチャンネル / ヘンレの太い上行脚 / カルシウムチャンネルブロッカ- |
研究概要 |
本研究は尿細管細胞における非選択性陽イオンチャンネルの存在とその生理学的役割を検討することを目的としたものである。特に尿細管におけるカルシウムの輸送機序は未解決の部分が多く管腔側膜からのCa^<++>の流入路として、非選択性陽イオンチャンネルの役割が我々の研究でクローズアップされてきた。腎尿細管の中で、Ca^<++>を積極的に輸送して血中Ca^<++>濃度の調節を行なっているセグメントはヘンレの太い上行脚(CAL)遠位曲尿細管(DCT)接合尿細管(CNT)の3つである。その中で、副甲状腺ホルモン(PTH)が作用するCALとCNTでCa^<++>流入経路の性質を検討した。CAL細胞のCa^<++>濃度を測定すると約50nMと他のセグメントよりも低かった。血液側にPTH又はcAMPを投与すると10-20分の時間経過で細胞内Ca^<++>が上昇した。またPTHが存在しないときには管腔内Ca^<++>を除いても細胞内Ca^<++>は低下しないが、PTHが存在すると管腔内Ca^<++>濃度に応じて細胞内Ca^<++>は変動した。またこれらの細胞内Ca^<++>の変動は管腔内にジヒドロピリジン等のCa^<++>チャンネル阻害薬を投与しておくと消失した。従って通常は膜上にないCa^<++>チャンネルがPTHにより膜に埋め込まれることを示す。CNT細胞の細胞内Ca^<++>濃度は140nM程度であり、PTH又はcAMPを投与すると急速に増加した。これはPTHの作用により管腔側膜のCa^<++>流入路が開くことを示す。この場合、CAL細胞と異なって、時間経過が早いことから、すでに膜上に存在するチャンネルがPTHの作用により開口したものと考えられる。現在パッチクランプ法によりこのチャンネルの性質を解明しているが、Na^+,K^+,Ca^<++>に対して選択性を持たず、25-30PSのコンダクタンスを持つことがわかった。Na輸送はNa/C1共輸送担体とNaチャンネルによって行なわれるため、この非選択性陽イオンチャンネルの生理学的役割はCa^<++>を再吸収することにあると考えられる。一方、CNT細胞内に入ったCa^<++>は血液側膜に存在するNa^+/Ca^<++>交換輸送体によって汲み出される。またCAL細胞と異なってこのCa^<++>流入路はCa^<++>チャンネルブロッカーにより抑制されない。
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