研究課題/領域番号 |
03670060
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松田 博子 九州大学, 医学部, 助教授 (10181736)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 内向き整流カリウムチャンネル / カルシウムイオン / 心筋細胞 |
研究概要 |
心筋内向き整流カリウム(K)チャンネルの内向き整流特性の機序として、電位依存性のチャンネル開閉機構と細胞内マグネシウム(Mg)イオンによるブロックがある。Mgと同様に生理的に細胞内に存在するナトリウム(Na)イオンは、電位依存性にMgより速いキスティクスで外向き電流をブロックするが、生理的細胞内濃度(10mM)での内向き整流発現への寄与は小さい。本研究では、Mg、Naと同様に生理的に細胞内に存在するカルシウム(Ca)イオンの効果を調べた。 コラゲナ-ゼで単離したモルモット単一心室筋細胞の膜内側をCa(0.1ー5μM)を含んだ液で潅流すると、内向き整流Kチャンネルの外向き単一チャンネル電流は、電位依存性に抑制された。Mgによるブロックの時と同様に、ユニット電流の1/3と2/3の大きさを持つサブレベルが出現し、電流が流れないゼロレベルとチャンネルが完全に開いているレベルを含む4つのレベル間を行き来した。この結果は、モルモット心室筋内向き整流Kチャンネルが3つの等しい伝導ユニットで成り立っており、それぞれの伝導ユニットが互いに無関係にブロッカ-により抑制されるというモデルと合致する。内向き単一チャンネル電流は5μMの濃度でも影響されなかった。細胞内外のK濃度が150mMの時、Kの平衡電位より90mV正側で、外向き電流は0.1μMCaではコントロ-ル値の80%に、1μMCaでは40%に抑制された。抑制の程度は同じ濃度のMgによるものに近い。細胞内にはCaより高濃度のMgが存在する(0.5ー1mM)ので、内向き整流発現に対する寄与はMgに方が大きいと考えられる。
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