研究課題/領域番号 |
03670091
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斉藤 亜紀良 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (40137708)
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研究分担者 |
後藤 勝年 (和藤 勝年) 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (30012660)
茂野 卓 埼玉医科大学, 総合医療センター, 助教授 (20170863)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 脳血管 / エンドセリン / 血管れん縮 / 免疫組織化学 / 脳脊髄液 / 血管内皮細胞 / 脳血管れん縮 / エンザイムイムノアッセイ / 薬理学 |
研究概要 |
クモ膜下出血後にはその出血部位で脳血管のれん縮が起こりやすい。エンドセリンは血管内皮細胞由来のペプチドであり血管系の持続的な収縮を引き起こす。そこでエンドセリンと脳血管れん縮の発症の関連を調べた。 イヌの摘出脳動脈では、エンドセリン(-1)が強力かつ非可逆的な脳血管収縮を起こすことが明かとなった。エンドセリン(-1)の前駆体であるビックエンドセリンは効力が約1/100しかなく生体内ではエンドセリン(-1)への変換により活性が発現すると考えられた。エンドセリン-2の作用はエンドセリン(-1)とほぼ同様であり、エンドセリン-3の作用は効力が約1/100であったことから、脳血管収縮においてはET-A型受容体の関与が考えられた。 脳内出血患者の脳脊髄液中のエンドセリン(-1)含量をエンザイムイムノアッセイ法で調べると、脳出血後4-7日後に顕著に増加していることが認められた。イヌの脳血管攣縮モデルでは、脳内に血液注入後から2日目まで脳脊髄液中のエンドセリン濃度が上昇しその後減少した。この時全身血液中のエンドセリン濃度に変化はないことから、局所におけるエンドセリン産生が高まっていると考えられた。 モノクローン抗体を用いた免疫組織化学法でエンドセリンの発現を検索したところ、正常動物(イヌ)の脳血管では非常に少ないが、血液注入後2日目に脳血管内皮細胞にエンドセリン様免疫活性が出現していることが判明した。エンドセリンのmRNAの発現の阻害剤であるアクチノマイシンDをこのモデル動物に投与したところ脳血管攣縮は著明に抑制された。 以上の結果は、エンドセリンが脳血管攣縮の修飾因子としての役割が大きいことを示している。
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