研究課題/領域番号 |
03670100
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
笹 征史 京都大学, 医学部, 助教授 (20025654)
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研究分担者 |
石原 熊寿 京都大学, 医学部, 助手 (20212912)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | グルタミン酸レセプタ- / 前庭神経内側核 / 単離ニュ-ロン / パッチクランプ法 / NMDA / AMPA / カイニン酸 / キスカル酸 |
研究概要 |
前庭神経内側核は末梢前庭器より入力を受け、腿運動核に投射し、前庭・眼反射を構成する主要な核である。我々のこれまでの研究から、一次求心神経からこの前庭神経内側核ニュ-ロンへの伝達物質はグルタミン酸であると考えられ、本研究ではこのニュ-ロンにグルタミン酸レセプタ-が存在することをパッチクランプ法を用いて証明することを目的とした。ラット延髄スライスを作製、前庭神経内側核を摘出し、トリプシン処理にてニュ-ロンを単離した。薬物はすべてピペット内へ充填し、記録ニュ-ロンより約100μm離れた位置から噴射により直接ニュ-ロンに投与した。このニュ-ロンはセルアタッチおよびホ-ルセル記録にて規則正しい自発発火を示した。電流固定下にグルタミン酸を投与すると発火の亢進がみられ、この反応はGDEEにより拮抗された。-70mVに電位を固定し、グルタミン酸(10〜100μM)を投与すると用量依存性の内向き電流が得られた。グルタミン酸による内向き電流の平衡電位は約-30mVであった。AMPA(10〜100μM)キスカル酸(100μM)およびカイニン(10〜100μM)によってもグルタミン酸によるものと同様の内向き電流が得られ、その平衡電位は約-30mVであった。また100μMのNMDAによっても内向き電流が得られ、この平衡電位は約-10mVであった。NMDAレセプタ-遮断薬MK801を投与しておいてNMDAを投与した場合にはNMDAによる内向き電流は遮断された。一方、グルタミン酸による内向き電流はCNQXにより拮抗された。以上の結果から、前庭神経内側核ニュ-ロンにはグルタミン酸レセプタ-が存在し、そのサブタイプであるNMDAレセプタ-と非NMDAレセプタ-(AMPAーキスカル酸ーカイニン酸レセプタ-)の2者が存在すると考えられる。
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