研究課題/領域番号 |
03670103
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内田 修次 大阪大学, 医学部, 助教授 (90028639)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ムスカリン様受容体 / フォスフォリパ-ゼA_2 / フォスフォリパ-ゼC / カルシウム / Furaー2 / アラキドン酸 |
研究概要 |
消化管平滑筋において受容体刺激による筋収縮はその大部分が細胞外カルシウムに依存している。近年、受容体刺激による細胞内カルシウム動員についてはPI代謝促進が介在することが示されたが、受容体による細胞外カルシウム流入をおこすreceptorーoperated Ca channelの実態については今もって明らかではない。 我々は、モルモット回腸縦走筋を用いて細胞内カルシウム濃度変化をFuraー2の蛍光変化によって測定し、ムスカリン刺激による細胞内カルシウム上昇が細胞外からのカルシウム流入と、細胞内貯蔵部位からのカルシウム遊離の二つの独立した系によっていることを明らかにした。この二つの系を比較すると、カルシウム遊離が従来から知られているPI代謝によっているのに対して、カルシウム流入はフォスフォリパ-ゼA2活性化によるアラキドン酸カスケ-ドの発動によっていることが明らかとなった。また、カルシウム流入がシクロオキシゲナ-ゼ、リポキシゲナ-ゼ阻害剤で抑制されずむしろ促進がみられること、アラキドン酸添加がカルシウム流入を起こすことから、アラキドン酸自身が受容体刺激によるカルシウム流入に関与していることが示された。 筋を百日咳菌毒素で処理すると、ムスカリン刺激によるカルシウム遊離は影響されなかったが、カルシウム流入は完全に抑制された。 以上の結果から、消化管平滑筋におけるムスカリン刺激によるカルシウム動員機構には(1)受容体刺激→百日咳毒素感受性G蛋白質→フォスフォリパ-ゼA2→アラキドン酸→receptorーoperated Ca channel開口(2)受容体刺激→百日咳毒素非感受性G蛋白質→フォスフォリパ-ゼC→IP3→カルシウム遊離の二つの系があり,(2)の系は高濃度のアゴニストが必要なこと、細胞内カルシウム濃度上昇の程度の小さいことなどから、実際の筋収縮への関与は小さいと考えられる。
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