研究概要 |
1.L型ピルビン酸もナーゼ遺伝子のインスリン反応性領域の固定 本遺伝子の-76から-170までに肝細胞での転写に必要な3ケ所のシス作用領域が存在し,これらは1つのエンハンサーユニットとして機能する。このユニットがインスリン反応性を有するかどうかをトランスジェニックマウスの柔を用いて検討した。その結果,このユニットは食餌性グルコース(インスリン)のみならず,食餌性フルクトースにも反応することが強く示唆された。次に,培養肝細胞の柔を調べたところ,このユニットはグルコース存在下でインスリンに反応するが,ピルビン酸存在下では反応しないことが示された。以上の成績をこれまでの結果と考え合わせると,インスリンは肝臓のグルコース代謝を促進することにより,フルクトースからと同じ中間代謝産物を,積させ,これが何らかの方法で,エンハンサーユニットを介し,転写を促進するものと考えるれる。 2,エンハンサーユニットに結合するタンパク質の解析 本ユニットはL-I,L-II,L-IIIの領域からなるが,L-Iに結合するHNF-Iの発現は食餌性グルコースで調節されなかった。L-IIに結合する未知の核タンパク質を高度に純化した。 3,グルコキナーゼ遺伝子のインスリン反応性領域の同定 培養肝細胞を用いて,CATアッセイにより,インスリン反応性領域の同定を試みた。その結果,転写開始点上流約1.1kbまでに存在すること判明した。
|