研究課題/領域番号 |
03670146
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
井上 正康 熊本大学, 医学部, 助教授 (80040278)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Superoxide dismutase / Free radicals / Oxygen toxicity / Targeting / Fusion gene / Albumin / Hepatin / Endothelial cells / Free radical / Heparin / 活性酸素 / SOD / タ-ゲッティング / 分子設計 / Fusion酵素 / ヘパリン |
研究概要 |
虚血性心筋障害や脳血管障害をはじめとする各種疾患において、活性酸素やフリーラジカルが病態増悪因子となることが示唆され、酸化的ストレスの有効な制御法を開発することが重要な課題となっている。細胞内にはSuperoxide dismutase(SOD)などの活性酸素消去酵素や抗酸化物質であるグルタチオン(GSH)などが高濃度に存在するが、細胞外空間におけるこれらの防御因子の濃度は極めて低い。従って、酸化的ストレスの軽減には、病巣局所の細胞外空間に抗酸化防御系を動員することが重要と考えられるが、GSHやSODは血中から数分の半減期で消失するので、個体レベルでは有効な抗酸化機能を発揮しにくい。本研究は、化学修飾法および遺伝子工学的手法によりSODを特定の組織、細胞およびオルガネラにターゲッティングし、疾患時の活性酸素障害を軽減して病態を改善する新治療法の確立を目的として行われた。本研究により、アルブミンと可逆的に結合して極めて長時間血中を循環し、pHが低下した組織病巣部位に濃縮動員されるヒトCu/Zn型SOD誘導体(SM-SOD)、長鎖脂肪酸を共有結合した細胞膜脂質親和性SOD(AC-SOD)、および遺伝子組換えにより血管内皮細胞上のプロテオグリカンに高親和性を示す内皮細胞指向性ハイブリッドSOD(HB-SOD)のFusion Geneを構築し、その大量発現系を開発した。また、腎尿細管指向性AH-SOD、肝細胞のGalactose-Receptor親和性Gal-SOD、および肝類洞細胞のMannose-Receptor親和性Man-SODを開発した。さらに、SM-SODが虚血再循環性不整脈、致死性不整脈、脳浮腫の発現を有効に阻止すること、AC-SODが内毒素角膜潰瘍を著明に軽減することを証明した。また、虚血性脳神経障害、心筋梗塞、高血圧症(SHR及び食塩依存性高血圧)にはHB-SODが、制ガン剤(Cisplatinum)による腎尿細管障害にはAH-SODが有効な組織保護作用を示すことを証明した。
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