研究課題/領域番号 |
03670168
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
重松 秀一 信州大学, 医学部, 教授 (50009627)
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研究分担者 |
伊藤 信夫 信州大学, 医学部, 助教授 (70126663)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 細胞外マトリックス / 基底膜 / メサンギウム / 沈着 / メサンギオリシス / 膜障害 / メサンギウム増殖 / 糸球体硬化 |
研究概要 |
凍結割断ディ-プエッチング法という電子顕微鏡技法は細胞外マトリックスの生理と病理について新らしい情報を提供した。即ちよく灌流して可溶性蛋白を除去した状態で糸球体を観察すると糸球体基底膜緻密層(LD)は洞状の空隙のある網目構造よりなり上皮細胞と内皮細胞はそれぞれその細胞膜とLD最外部との間を直角に架橋する細線維で結合されておりこの部が透過型電顕でみる基底膜(GBM)の内外透明層に相当する。メサンギウム基質(MS)もやはり空隙のある網目構造よりなるがGBMのそれよりも目が疎である。メサンギウム細胞(MC)も基質と架橋細線維で結ばれている。このMSには血中よりあるサイズまでの物質が流入しうるが免疫複合体の沈着現象は血中よりの抗原抗体結合物がMSの網目の中で凝集集積したものとみられる。また基質成分に対する抗体や糖尿病のような非酵素的糖化反の際には網目を構成する細線維に蛋分成分などが粘着するために網目の線維自体が厚みをます。上皮下沈着物はLDのサイズ選択障壁をこえて形成されたものであり,その網目をもち上げる形で沈着したり外透明層中に沈着が及ぶ場合もみられ時には架橋線維が破壊され部分的に上皮細胞体のGBMからの剥離もみとめられる。MSの透過性が異常に亢進した状態では網目が破綻してMCの基質からの遊離をともないメサンギオリシスといわれる状態となる。LDでは網目の破綻は細裂化や膜融解そして時には断裂という事態に進展する。糸球体の修復再構築はこれら基質の障害の程度と糸球体固有細胞の障害程度により影響をうける。糸球体構造の保持は糸給体固有細胞の相互関係基質による誘導によるとみられる。即ちMCの過剰の係蹄壁への増生は上皮ヤ内皮細胞の増殖抑制作用ヤ基質中のヘバランサルフェイトプロテオグリカンによってコントロ-ルされており,これらの障害がメサンギウム間入ヤ硬化へのひきがねになることが示唆される。
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