研究課題/領域番号 |
03670172
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
難波 雄二郎 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (50027322)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 蛋白リン酸化 / Tリンパ球 / l-プラスチン / IL2 / アクチン結合蛋白 / カルシウム結合蛋白 / モノクローナル抗体 / マイクロフィラメント / シグナル伝達 / リンパ球の増殖 / カルシウム |
研究概要 |
ヒトTリンパ球をIL2で刺激した際リン酸化される細胞内蛋白(1ープラスチン)のアミノ酸配列を決定し、その配列がfimbrinのそれと酷似している事を明らかにした。又1-plastinがfimbrinと同様に、actin fiberを束ねる作用を持つことを明らかにしたが、fimbrinとは異なり、β-actinに特異的に作用しα-actinやγ-actinとはほとんど作用しない。更に1-plastinの作用はCa^<++>の濃度に依存し、Ca^<++>が低い時(IX10^<-6>M以下)にこの作用を有し、Ca^<++>がそれ以上の濃度になるとその作用を失う事を明らかにした。次にこのIL2刺この蛋白に対して特異的に反応するモノクローナル杭体を合成ペプチドを抗原にして作成し、この蛋白の細胞内の局在を検索した。IL2刺激が無い状態ではこの蛋白は太い束状に分布していた。この分布は抗アクチン杭体で染色したpatternと同じであり、この蛋白はactin stree fiberの一部を構成していると考えられた。この状態の細胞にIL2を添加してから20分後の細胞を固定して蛍光抗体法で観察すると、この蛋白は細胞全体にdiffuseに広がっており特に細胞のpseudopodには比較的denseに分布していた。従ってin vitroで観察されたのと同様に細胞内においてもこの蛋白はアクチン繊維と結合したり解離したりしていると考えられた。次にこの蛋白のIL2によりリン酸化されるセリン残基をグリシン残基に変えた変異遺伝子を作成してUWー4細胞に導入して変異蛋白を発現させると、IL2により増殖しにくくなるが、この細胞をIL2で刺激して検索すると変移遺伝子を導入していない細胞の場合と異なりstress fiberにこの蛋白が局在している細胞が多かった。この現象はin vitroでリン酸化されたこの蛋白がactin fiberとの結合能を失う現象と合致し、1L2刺激でこの蛋白がリン酸化されることによりactinbundleがばらばらになる事が推定された。
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