研究課題/領域番号 |
03670175
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
大朏 祐治 高知医科大学, 医学部, 教授 (30136387)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | HTLVーI / Lymphocyte / HLAーD antigen / Tーcell receptor / ILー2receptor / CD3 / Immunoelectron microcopy / Tissue culture |
研究概要 |
HTLVーI産生又は非産生性T細胞株につき、ABC法を用いて、HLAーD抗原やT細胞受容体の発現状況を主体に免疫電顕法により検索した。まず、ウイルス産生性長期培養T細胞では、OKIal、HLAーDR、ーDPやーDQ抗体はいずれも、ILー2レセプタ-抗体と同様に細胞膜表面やウイルス被膜に陽性であるが、CD3やCD4は殆ど陰性であった。又、T細胞受容体については、TCRα/β抗体やα鎖抗体は陰性であったが、β鎖抗体はごく々一部の細胞にて粗面小胞体や被膜に陽性であった。HAMに由来したウイルス産生性T細胞では、OKIalやHLAーDR抗体、ILー2レセプタ-抗体の他にCD3も陽性でありウイルス被膜も 標識された。CD3は、細胞表面の他に核膜や粗面小胞体に陽性であった。興味深い事に、TCRα/β抗体は、ごく一部に陽性を示すのみであったが、β鎖抗体は、核膜や粗面小胞体に陽性、α鎖抗体は全く陰性という結果を得た。即ち、CD3のみ発現が強く、TCRのαやβ鎖については、βのみ存在するというデ-タを得た。正常人やHTLVーI抗体価陽性キャリア-については、α鎖、β鎖各抗体共に核膜や粗面小胞体にのみ陽性であり、TCRα/β抗体は細胞表面のみに反応を認めた。これらの結果から、HTLVーl産生細胞においては、ウイルス被膜はTCRαーβ、α鎖、β鎖いずれでも標識されない。CD3とTCRα/βの発現には解離がみられるが、HLAーDやILー2レセプタ-は常に発現しており、TCRα/βについては、まずα鎖が減弱消失し、ついでTCRα/βは陰性となり、β鎖のみがかなり長期間胞体内に検出され続けるという経過をとることが明らかとなった。ウイルス被膜上の抗原発現については、HLAーD、ILー2レセプタ-の他に、CD3やCD4は細胞膜に認められる限りにおいて被膜上にも存在し得るという結果を得た。TCRのαやβ鎖については、分子生物学的デ-タを支持する結果であった。
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