研究課題/領域番号 |
03670183
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
広瀬 幸子 順天堂大学, 医学部, 助教授 (00127127)
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研究分担者 |
脇屋 緑 順天堂大学, 医学部, 助手 (00220848)
上田 源次郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (90203439)
徳重 克年 順天堂大学, 医学部, 助手 (60188729)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 抗DNA抗体 / 全身性エリテマトーデス / 抗体遺伝子可変領域 / somatic mutation / クローン性増殖 / クラス転換 / New Zealandマウス / CD5B細胞 / New Zealand マウス / 全身性エリテマト-デス / 免疫グロブリン遺伝子 / ハイブリド-マ |
研究概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)には血中に高力価の抗DNA抗体が認められるが、中でもIgGクラスの抗体がSLE病態発症と密接に相関している。SLEのモデルマウスであるNZB/W F1マウスにおいても、加令とともにSLEの発症に相関して抗DNA抗体のIgMからIgGへのクラス転換がみられる。我々は先に、このNZB/W F1マウスに出現するIgM抗DNA抗体はCD5B細胞に由来するのに対して、IgG抗DNA抗体はCD5抗原を持たないB細胞に由来することを発見した。この事実は、IgMとIgG抗DNA抗体が異なるlineageのB細胞から産生されていることを示唆するものであるが、一方、IgG抗体産生B細胞がクラス転換とともにCD5分子を消失する可能性も考えられる。 最近、抗体遺伝子可変(V)領域の解析から、IgG抗DNA抗体の大部分はV領域に多数のmutationを持つ抗体であり、しかもこれらはクローン性に選択され、増殖していることが示されている。一方、CD5B細胞由来のIgM抗DNA抗体は、polyclonalであり、その多くにはmutationは認められてないという報告がなされている。 今回我々は、SLEに出現するクラス特異的抗DNA抗体の由来を明らかにするためにNZB/W F1マウスを用いてモノクローナル抗DNA抗体の抗体遺伝子V領域の解析を行なった。その結果、(1)CD5B細胞は通常のB細胞と異なり、加令とともに高度にclonalになること、(2)IgM抗DNA抗体産生B細胞もIgG抗DNA抗体産生B細胞と同様にclonalに増殖していること、(3)病的IgG抗体の抗体遺伝子V領域には多数のsomatic mutationが認められるが、このmutationはすでにIgM抗体の時期から起こり始めること、が明かとなった。以上の結果から、病的IgG抗DNA抗体はCD5分子を失ったCD5B細胞由来であり、clonalに選択され増殖した抗DNA抗体産生B細胞の抗体遺伝子V領域 にmutationが集積することによって生じてくることが強く示唆された。
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