研究課題/領域番号 |
03670191
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
太田 伸生 岡山大学, 医学部, 助教授 (10143611)
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研究分担者 |
小野 俊朗 岡山大学, 医学部, 助手 (50185641)
安治 敏樹 (安治 敏治) 岡山大学, 医学部, 講師 (10032905)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 日本住血吸虫 / 虫卵抗原 / T細胞 / 抗イディオタイプ抗体 / サイトカイン / ELISA / イディオタイプ / SEA |
研究概要 |
日本住血吸虫慢性感染ヒト宿主の血清中に感染既往者のT細胞によって特異的に認識される因子の存在を観察した。その因子は駆虫後間もない患者にのみ存在し、IgG分画にその活性は存在した。しかし、すべての患者血清に認められるものではなく、その出現には多様性が存在した。感染既往者であっても、駆虫後7年以上を経過した宿主由来に血清にはT細胞刺激因子の存在を確認することができなかったことから、この血清因子は駆虫後比較的早期に消失することが示唆された。この血清因子は、(1)感染既往者にのみ検出されること、(2)抗虫卵抗体とは明らかに異なること、(3)反応するのは感染既往者由来T細胞に限られること、(4)抗虫卵抗原特異的T細胞株の一部はこの血清因子によって活性化されるものの虫卵抗原以外の特異性のT細胞株には効果のないこと、等の現象から、感染宿主に特異的に誘導されてくる抗イディオタイプ抗体である可能性が考えられた。反応する細胞はフローサイトメトリーにてCD3^+4^+8^-のヘルパー表現型のT細胞であった。その機能解析のために血清因子刺激下のサイトカイン産生を検討したところ、IL-4、IL-5の産生は検出されず、一方でIFN-γの有意な産生は認められたことから、このイディオタイプ反応性T細胞はThl優位の機能的プロフィールを持つことが分かった。本症肝脾病変発症の直接の引き金となる虫卵肉芽種の形成にはTh2細胞の関与が重要とされており、その点では本症の病理発現に促進的役割を担う細胞とは考えられない結果を得た。T細胞刺激因子が駆虫後早期の血清中にしか検出されないため、抗虫卵抗体の駆虫後の認識分子の経時的推移を調べたところ、虫卵抗原の400KD分画に対するIgG反応が駆虫後早期に消退することが判り、イディオタイプ発現に変動のあることが判明した。このような抗体産生の質的変異と宿主免疫応答の調節のメカニズムの関係について考察した。
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