研究課題/領域番号 |
03670193
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
平井 和光 鳥取大学, 医学部, 教授 (20093940)
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研究分担者 |
福本 宗嗣 鳥取大学, 医学部, 助手 (60111126)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | マンソン裂頭条虫 / 擬充尾虫 / 成長ホルモン / マクロファージ / システインプロテアーゼ / 成長ホルモン様物質 / 成長ホルモン結合蛋白 |
研究概要 |
マンソン裂頭条虫擬充尾虫が産生する成長ホルモン(GH)様物質の特性を解明するために次の実験を行った。家兎血漿中のGH結合蛋白(GHBP)が肝臓GH受容体の代替が可能か否かを検討したところ虫体抽出液中のGH様物質は結合したので、ヒト血漿からヒトGHBPを精製(分子マス:29,50kD)し、GH様物質が結合するか否かをGHラジオリセプターアッセイで観察した。しかし、GH様物質はヒトGHBPに対してヒトGHと競合置換しなかった。ついで、27kD蛋白はシステインプロテアーゼであったので宿主IgGの切断活性の有無の検討を行った。虫体抽出液及び27kD蛋白は、ビオチン化抗ヒトIgG抗体を切断し、そして、この抑制はE64及びロイペプシンで阻害され、ペプスタチンでは影響されなかった。また、株化マクロファージA640-BB2株を用いて抗体依存性マクロファージ貪喰能に対する虫体培養液の影響を観察したところ、虫体培養液はそれを抑制した。さらに、虫体培養液のマクロファージ窒素酸化物産生に対する作用を観察した。株化マクロファージA640-BB2株においてインターフェロン-ガンマによるマクロファージ活性化を促進したが、しかしリポポリサッカリド(LPS)による活性化を抑制し、そして、マウス腹腔内マクロファージにおいてもLPSによる活性化を抑制した。一方、27kD蛋白の虫体内局在をモノクローナル抗体を用いて免疫組織染色法で観察した。本蛋白は、表皮下細胞層と虫体表面に局在することが示唆されるとともに虫体離断端にも認められた。これらの結果から27kD蛋白は、宿主の抗体から、またマクロファージの攻撃から回避することに機能するとともに体節離断のためにも作用することが示唆され、さらにマクロファージの窒素酸化物産生能にも影響する活性物質の存在が認められた。今後、GH様物質の多彩な作用を分子生物学的視点で解明する予定である。
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