研究課題/領域番号 |
03670220
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
稲田 捷也 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80048446)
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研究分担者 |
遠藤 重厚 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30160394)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | エンドトキシン / 敗血症モデル / 致死作用 / 低血圧 / 一酸化窒素 / TNF-α / IL-2 / マウス / エンドトキシンショック / 動物モデル / 腫瘍壊死因子 / インタ-ロイキン2 / ポリミキシンB |
研究概要 |
エンドトキシンショックはエンドトキシンによって産生されたTNF-αなどのサイトカインがメディエーターになってショックが発現されると考えられてきた。しかし、臨床例ではエンドトキシン→サイトカイン→ショックの例はなく、逆にサイトカインの異常高値が先行し、エンドトキシン血症でショック発現する、すなわちサイトカイン→エンドトキシン→ショックのsequenceを示唆する結果を得ている。そして先行するサイトカインはTNF-αとインターロイキン2(IL-2)であることを見いだした。そこでこの研究ではこれらサイトカイン(組み換え体)とエンドトキシンを組み合わせたマウス致死のモデルを作成し、種々の薬剤で抑制できるか否かを検討し、エンドトキシン単独投与モデルと比較検討し、その機作の違いについて検討した。その結果、 1)致死量以下のエンドトキシン(以下LPS,50μg)とTNF-αの同時静注でマウスは24時間以内に死亡した。2)これにIL-2を加えて同時投与したところ、死亡までの時間は短縮し、死亡率は上昇した。3)IL-2単独、IL-2+TNF-α、LPS+IL-2、ではマウスは死亡しなかったことから、IL-2はLPS+TNF-αの致死活性を増強していることが示唆された。しかもこのときのLPSの必要量はLPS+TNF-αの場合よりも1/4でもよかった。4)ポリミキシンBはLPS+TNF-α+IL-2同時投与による致死作用を抑制した。5)抗PAF剤(TCV-309)、プロテアーゼインヒビター(FUT-175)はLPS単独投与(500μg)の致死作用を抑制したが、LPS+TNF-α+IL-2同時投与による致死作用の抑制作用は弱かった。6)でも5)と同様の成績だった。7)血圧低下に関係する一酸化窒素(NO)の産生を抑制するL-NMMAはマウス致死作用は抑制しなかった。8)IL-2はLPS+TNF-α投与3時間以内での血圧低下は増強しなかった。9)IL-2はマウスマクロファージからのLPS+TNF-αによるNO産生を促進した。 以上のことから、LPS単独投与と、LPS+TNF-α+IL-2投与のショックの発現の機作は異なること、IL-2は早期の血圧低下以外でエンドトキシンショックに関与していることが示唆された。
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