研究課題/領域番号 |
03670239
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斎藤 泉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70158913)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アデノウイルス / ウイルスベクタ- / 組換えウイルス / 遺伝子治療 |
研究概要 |
1.アデノウイルスベクタ-による遺伝子発現に用いることのできる細胞種・組織型の検討:B型肝炎ウイルス(HBV)遺伝子を組み込んだ組換えアデノウイルスベクタ-(Ad5ーHBL)を13種類の哺乳類細胞株(ヒト・サル・マウス・ラット)に感染し、HB_s抗原の発現を調べた。全ての細胞で発現から認められ、うち11種の細胞で430ー44ng/10^7 cellsの発現が得られた。従って種や組織型を越えた広い範囲での発現が確認された。発現量はHBVプロモ-タ-よりも強力なものを用いることにより大幅な増大を期待している。現在はこの結果を発展させ、極めて強力なSRaプロモ-タ-・EF1aプロモ-タ-を用い、lacZ遺伝子を発現させることにより、発現を青色の発色で定量する系を作製中である。これにより、本ベクタ-による発現法が、どのような細胞組織でどの程度発現できるかを容易に調べることが出来るようになり、本ベクタ-の広い応用範囲(例えば癌・感染症・遺伝病の遺伝子治療など)を具体的に知ることができる。 2.組換えウイルス作製法の改良:発現ユニットを挿入するカセットプラズミドに改良を加え、クロ-ン化部位として8塩基認識の酵素Swalを用いることにより、ほとんどあらゆるユニットをウイルスに組み込むことが可能となった。またアデノウイルスゲノムのほぼ全長をコスミドに組み込み、約30kbの間で相同的組換えを起こさせることにより効率よく組換えウイルスを作製する方法は、研究代表者が医科研へ移籍し細胞培養実験が一時中断したために研究が遅れていたが,現在進行中である。スクリ-ニング法については、上記のlacz挿入アデノウイルスと挿入部分を取り替えることにより、pUCと同様のカラ-選択が出来る系を作製中である。これらの進歩により、本ベクタ-は今後汎用され特に遺伝子治療に大きな貢献をすることが期待される。
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