研究課題/領域番号 |
03670247
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鶴下 直也 京都大学, ウィルス研究所, 助手 (30201643)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | μ鎖遺伝子 / ディファレンシャルRNAプロセシング / B細胞 / スプライシング / ポリアデニレ-ション / モデル遺伝子 |
研究概要 |
免疫グロブリンμ鎖の発現は、B細胞の分化過程において膜結合型から分泌型へと切り替わる。この調節はμ鎖mRNAの3'領域のプロセシング様式の変化を通じて行なわれることが知られているが、その詳細な分子機構は不明のままである。本研究では、μ鎖遺伝子にみられるディファレンシャルRNAプロセシングの分化段階特異的な調節機構の解明を目的として、特に調節機構に必要とされるDNA領域の同定を試みた。これまでの研究により、μ鎖遺伝子のC4エキソンより下流部分3.3Kb領域が分化段階特異的なRNAプロセシング様式を再現するのに十分であることが示された。また、この領域内のスプライシングあるいはポリA付加シグナルに欠損変異を導入すると、膜結合型または分泌型mRNAのどちらか一方のみがB細胞の分化段階に関わらず産生されることから、プロセシングシグナルの相対的配置を含む遺伝子構造が重要な役割を果たしていると考えられた。そこで、RNAプロセシングの調節機構に必要な最小領域を決定するために、ディファレンシャルRNAプロセシングのモデル遺伝子を構築しこれを用いて実験を進めた。このモデル遺伝子は、モロニ-肉腫ウィルスLTRプロモ-タ-にヒトβグロビン遺伝子を結合し、さらにその第二イントロンにSV40由来のポリA付加シグナルを挿入したもので、μ鎖遺伝子の3'領域と相似の構造を持ち、膜結合型および分泌型μ鎖RNAに相当する二種のmRNAを産生する。このモデル遺伝子に、対応するμ鎖遺伝子の一部を置換挿入した種々のハイブリド遺伝子を作成し、そのRNAプロセシング様式を各種B細胞において調べたところ、M1およびM2エキソンとその周辺部を導入した場合に分化段階特異的なRNAプロセシング様式の変化が見られた。他の領域も含めたさらに詳細な解析は現在進行中である。
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