研究課題/領域番号 |
03670290
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
赤松 隆 杏林大学, 医学部, 教授 (90045047)
|
研究分担者 |
等々力 英美 琉球大学, 医学部, 助教授 (60175479)
木ノ上 高章 杏林大学, 医学部, 助手 (30234313)
織戸 康秀 杏林大学, 医学部, 講師 (50185683)
高島 豊 杏林大学, 医学部, 助教授 (20163199)
古見 耕一 杏林大学, 医学部, 教授 (70101467)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 長寿 / 地域環境 / 血清疫学 / 血漿遊離アミノ酸 / 栄養 / 生活環境 |
研究概要 |
本研究は長寿者の食生態と栄養摂取状況ならびにADLの実態に関する調査結果と血清遊離アミノ酸を含む各種血清化学検査の成績を、わが国内の異なる地域に居住する複数の超高齢者集団間で比較疫学的に詳細に分析することにより、長寿に係る背景要因を多元的に明確化することを目的としたものである。最終年度の平成5年度は、以下に示す研究実績と研究成果をえた。1.URBAN TYPEの長寿を代表する超高齢者群32名(東京都下の町村在住)とRURAL TYPEの長寿を代表する超高齢者群44名(沖縄県の町村在住)の食事調査、ADL調査を完了し、本調査結果と既存の血清化学検査結果を総合的に分析することにより、次の結果が新たに獲得された。(1)超高齢者群は両地域ともに、動物性脂肪ならびに動物性蛋白質の相対的摂取量が国民栄養調査結果に示された高齢者におけるそれと比べ有意に低い特徴を認めた。(2)両地域ともに、ADLが良好に保たれている超高齢者群はADL不良の超高齢者群に比し、血清遊離アミノ酸のうちのイソロイシン、メチオニン濃度が有意に高く、HDL-コレステロール値を有意に高かったが、血圧は有意に低い所見を認めた。以上の成績より、蛋白質、脂肪の摂取特性や血圧の管理状況は高齢者の健康の質と程度を規定し、長寿に強く関与する重要因子であると考えられる。2.長野県飯田市内に居住する7名の超高齢者に対して前2地区と全く同様の調査を実施した。前2地域の成績とは、糖原性アミノ酸(グリシン、アラニン)の濃度がURBAN TYPE>飯田市>RURAL TYPEの大小関係をもって大きく異なっていたこと以外には特記すべき差は認めなかった。この成績は長寿を規定している地域環境要因の多様性を示唆したものと考えられるが、なお満足のいく十分な解釈の明示が必要であろう。この点とともに、3年間の研究結果をさらに整理して、超高齢者の健康増進とQOL向上の要点を提示したいと考えるものである。
|