研究概要 |
〔HAT感受性抗ペルオキシダ-ゼ抗体産生融合株の樹立〕ペルオキシダ-ゼ(HRP,20μg)で免疫したマウスの膝窩リンパ節細胞をP3U1骨髄腫細胞と融合させ,無血清培地ASF103で培養した。常法にしたがって選別,クロ-ン化後,抗HRP産生融合細胞株を樹立した。この細胞株を1週間8ーAzaguanine存在下で培養すると大部分死滅し約5%が生き残った。これを拡大培養した酵素HGPRT欠損株(すなわちHAT感受性株)とした。 〔HAR感受性抗スルホン化DNA(SDNA)抗体産生融合細胞株の樹立〕マウスDNA断片をメタ重亜硫酸Naとメチルヒドロキシラミンでスルホン化した後BSAと結合させたものでマウスを免疫し,そのリンパ節細胞の一部をP3U1細胞と融合させ,上記の方法でHAT感受性抗SDNA産生株を樹立した。 〔抗HRP/抗SDNA二重特異性ハイブリッド抗体産生株の樹立〕HAt感受性抗HRP産生株と抗SDN抗体産生細胞を融合させ,HAT選択後,二重特異性ハイブリッド抗体産生Triomaを樹立した。〔ハイブリッド抗体によるDNAフィンガ-プリントの検出〕ヒトのゲノムDNAのEcoR 断片を電気泳動し,スルホン化DNAプロ-ブとサザンハイブリダイズさせ,これをHRPと(HRPカラムで精製した)前記ハイブリッド抗体で検出すると,明瞭なDNAフィンガ-プリントが得られた。 〔その他のハイブリッド抗体〕マウスをアルカリホスファタ-ゼで免疫し,そのリンパ節細胞を前記二種類のHAT感受性抗体産生株と融合させてTriomaを作製したが,目的とする二重特異性抗体(ハイブリッド抗体)はまだ得られていない。抗ALP抗体が活性中心をブロックしているためだと思われる。
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