研究課題/領域番号 |
03670318
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
下条 文武 新潟大学, 医学部, 助教授 (20126410)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 血液透析 / アミロイド-シス / β_2ーミクログロブリン / アミロイド結石 / ^<131>Iーβ_2ーミクログロブリン |
研究概要 |
透析アミロイド症のアミロイド構成蛋白はβ_2ーミクログロブリン(β_2ーM)であり、血中のβ_2ーMはその前駆物質と考えられる。しかし、β_2ーMがいかなる機序にてアミロイド沈着におこすのかは明かでない。本研究では、β_2ーMとそのフラグメントのアミロイド化の役割について以下の成績を得た。 (1)透析アミロイドとして特異な尿路アミロイド結石の生化学的分析をつづけ、N末端intactβ_2ーM、N末端7、20残基よりのlysin末端で切断された2つのフラグメントならびに38残基よりの新たなフラグメントをそれぞれ同定した。このことは、それ以後の2つの疎水部分(60番目、80番目近くの部分)がよりアミロイド形成に重要であることと考えられる。 (2)β_2ーMのフラグメントのうち、N末端部分とC末端部分に対する抗体を家兎にて作成することができた。N末端に対する抗体はintactβ_2ーMに反応せず特異抗体であることを ^<125>Iーβ_2ーMを用いたRIAにて確認した。しかし、本抗体を用いた免疫組織化学的検討からは、ほとんどの透析アミロイド組織に陽性を示し、N末端部分のβ_2ーMのアミロイド化への役割については、なお検討をつづける予定である。 (3)血中のβ_2ーMがアミロイド化する機序を知る目的で、Na^<131>Iを純化したβ_2ーMにアイソト-プ標識し、in vivoにて血中減衰曲線をみたところ2コンパ-トメントプ-ルに近似することを確認した。また、経時的な全身スキャニングにより、静脈内注射後、48時間後から168時間後にわたりアミロイド沈着部位に特異的なアイソト-プの集積を認めた。このことは、血中のβ_2ーMがアミロイド組織に取り込まれたことを示唆するものであり、血中のβ_2ーMを除去する透析治療法がアミロイド症に対し有用であることを支持する成績と考えられる。 血中のβ_2ーMがアミロイド形成を起こす最も重要な因子については現在なお不明であり、今後さらにこの面の研究を行って行かなければならない。
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