研究課題/領域番号 |
03670354
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松橋 信行 東京大学, 医学部(病), 助手 (10221590)
|
研究分担者 |
大西 真 東京大学, 医学部(病), 助手 (00183236)
児玉 龍彦 東京大学, 医学部, 助手 (90170266)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | ras / farnesyl / 癌 / メバロン酸 / HMG-CoA reductase阻害剤 / コレステロール / 消化器癌 / 遺伝子治療 / ファルネシル化 / HMG CoA reductase 阻害剤 / farnesyl:protein transferase / 癌治療 / HMG CoA reductase阻害剤 |
研究概要 |
メバロン酸由来の、コレステロール以外の細胞増殖こ必須な要素を調べるため、細胞培地にlipoprotein-deficient serumを10%加え、そこヘコレステロール合成には十分な濃度のLDLを加え、そこヘメバロン酸とHMG-CoAreductase阻害剤のcompactinを様々な濃度で添加した。compactinは種々の細胞の増殖を濃度依存性に抑制した。そして、メバロン酸はこの増殖抑制を部分的にしか解除しなかった。このcompactinによる増殖抑制は、NIH-3T3細胞とそのH-ras transfectantである3-1では殆ど差がなかった。また、諸種の癌細胞株でも大差なく、ras蛋白の異常発現の有無とも有意な関係はなかった。以上より、compactinによる細胞増殖抑制効果は必ずしもras蛋白の発現抑制によるものとはいえなかった。 farnesyl : protein transferaseの酵素活性を競合阻害することが知られているras蛋白に共通なパターンのC末端ペプチドを合成し、これの増殖抑制効果を細胞培養系で検討しようとしたが、かかるペプチドは細胞内にとりこまれず、競合阻割は得られなかった。研究期間中特異的なfarnesyl : protein transferaseの阻害剤は利用できなかった。in vivoの実験では、発生してしまった癌の治療よりも発癌抑制の方がより期待されると考えられたため、肝癌を自然発症するC3Hマウスにsimvastatinを94週間投与して発癌抑制効果を調べた。しかし、肝癌発生抑制効果は確認できなかった。 根治不能な3例の進行癌症例につき、プラバスタチンを投与して抗腫瘍効果を検村した。しかし、画像、腫瘍マーカーとも明らかな改善はみられなかった。 以上より、本研究からはras蛋白のファルネシル化阻害こよる癌治療を直接的に支持するデータは得られなかった。ただ、farnesyl : protein transferaseの特異的な阻害剤を使った検討ではないため、最終的にはこの阻害剤による検討が必要である。
|