研究課題/領域番号 |
03670373
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
辻井 正 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30075064)
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研究分担者 |
吉川 正英 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50230701)
久保 良一 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20183311)
石坂 重昭 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90159715)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ウルソデオキシコール酸 / 免疫グロブリン / サイトカイン / インターロイキン2 / インターロイキン4 / ガンマ-インターフェロン / 抗原提示 / ウルソデオキシコ-ル酸 / 免疫グロブリン産生 / サイトカイン産生 / PBC |
研究概要 |
UDCAのヒトリンパ球の免疫グロブリン(Ig)産生、サイトカイン産生に及ぼす影響を検討したところ、UDCAはIg産生、サイトカイン産生(IL-2,IL-4,rIFN)に対して抑制的に作用した。次に、IL-2に誘導されるNK活性、LAK活性におよぼすUDCAの影響について検討した。UDCAはこれらNK活性、LAK活性に対しても抑制的に作用した。 さらに、UDCAの抗原提示における影響についても検討した。すなわち、ヘルパーT細胞(Th)としてovalubmin(OVA)特異的マウスハイブリドーマ細胞を、抗原にはTNP化したOVA(TNP-OVA)を抗原提示(APC)としてはハプテンTNPに特異的なIgM(IgM_<TNP>)を表出するマウスBリンパ腫を使用し、抗原提示に及ぼすUDCAの影響を活性化Thの示すIL-2産生を指標に検討した。UDCAはIL-2産生に抑制的に作用した、同時に、活性化時にこのThの獲得するcytotoxicityもUDCAにより抑制された。ここで、このUDCAによるIL-2産生の抑制がAPCの抗原のuptake、degradationの抑制によるものか、あるいはTh細胞への直接的作用かを推測すべく、まずUDCA存在下でAPCを抗原パルスし、洗浄しUDCAを除去後Thを加えそのIL-2産生をみた。UDCA存在下で抗原パルスされたAPCは、UDCA非存在下でThのIL-2産生を誘導し得たが、Thを加える際UDCAを同時添加するとIL-2産生は明らかに抑制された。UDCAの本抗原提示assay系におけるIL-2産生の抑制は、APCの抑制を介してではなく、ThのAPC上の抗原認識過程あるいは直接T細胞に作用して得られていると考えられた。 UDCAは、PBC治療に使用され有用であることは知られているが、本研究の結果より、その作用機序のひとつとしてUDCAによる肝の炎症局所でのimmunomodulationも推察された。
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