研究課題/領域番号 |
03670434
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
角田 一男 東北大学, 医学部第二内科, 助手 (50217361)
|
研究分担者 |
阿部 圭志 東北大学, 医学部病態液性調節学, 教授 (60004777)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
キーワード | 本態性高血圧症 / 高血圧 / レニンーアンジオテンシン系 / アミノペプチダ-ゼ / アンジオテンシン変換酵素 / カリクレインーキニン系 / アンジオテンシン / プロテア-ゼ |
研究概要 |
【目的】既に報告済みの平成3年度の研究実施計画に従い、我々は本態性高血圧症患者と健常人における各種脈管作動物質分解酵素活性を測定し、これら酵素群の構築性を比較検討した。 【方法】本態性高血圧症患者46例と年齢を合致させた健常人46例を対象とした。これらの対象から血清を採取し、アミノペプチダ-ゼAおよびB、ロイシンアミノペプチダ-ゼ、アンジテオテンシン変換酵素、キニネ-スーI、カテプシンBおよびD、プラスミン、スロンビン、トリプシン、キモトリプシン活性を合成基質を用いた酵素免疫測定法で測定した。これら酵素活性測定値をコンピュ-タ-計算によるprincipalーcomponentsーmultivariate analysisによって分析し、酵素系の構築性を検討した。 【結果】健常人に比較して、本態性高血圧症患者群ではアンジオテンシン変換酵素活性が有意に増加を示したが、その他の酵素活性は有意に減少していた。これら酵素活性値とdiscriminant function socreの間の相関関係から検討した結果でも、最も高い相関係数を示した酵素はアンジオテンシン変換酵素であった。さらにこれら相関関係のベクトル解析では、やはりアンジオテンシン変換酵素のみが正の方向性を示し、アミノペプチダ-ゼを初めとするその他の酵素はすべて負の方向性を示した。 【結論】本態性高血圧症患者では、各種脈管作動物質の生成・分解に関与する各種酵素群の構築性が、昇圧物質であるアンジオテンシンーIIの生成に対して有利に作用し、アンジオテンシンーIIの分解や降圧物質であるキニンの生成に対しては不利に利用するアンバランスな構造を呈している。これら各種酵素群の構築性の不均衡が本態性高血圧症の病態機序に関与していることが明らかになった。
|