研究課題/領域番号 |
03670437
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安東 克之 東京大学, 医学部・(分), 助手 (60184313)
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研究分担者 |
藤田 敏郎 東京大学, 医学部・(分), 助教授 (10114125)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カルシウム / 食塩 / 高血圧 / 交感神経系 / アンジオテンシンII / ラット |
研究概要 |
カルシウム(Ca)の降圧作用は昔から報告があるが、最近食塩高血圧との関係が知られるようになってきた。食塩高血圧の発症維持構には交感神経系が重要な役割を果たしているので、Caの降圧作用にも交感神経系が重要な役割を果たしているか否かを検討する目的で以下の実験を行った。〔方法〕浸透圧ミニポンプでアンジオテンシンII(AII)を125ng/minの速度で腹腔内投与したSpragneーDawley雄ラットに普通食・3、15%ナトリウム(Na)食・4.07%Ca食およびNaーCa食を12日間投与し血圧・血中電解質および活性型ビタミンD(1.25ー(OH)_2D_3)・血漿カテコラミン濃度を測定した。〔結果〕コントロ-ルラット(108±2mmHg)に比較してAII投与のみでも軽度の昇圧を生じた(131±4mmHg)。これに食塩を負荷すると著明な血圧上昇をきたした(161±4mmHg)。AIIーNaラットにCaを負荷すると食塩負荷時の昇圧は抑制された(126±4mmHg)。しかし、AIIラットにCaを負荷しても有意の降圧は生じなかった。この時の血清電解質の変化を見るとAIIーCaラットで血清Ca上昇・リン(P)低下を認めたが降圧をきたしたAIIーNaーCaラットではこれらに有意の変化はなかった。血漿1.25(OH)_2D_3はいずれのラットでも有意の変化はなかった。血漿ノルエピネフリンはコントロ-ルラット(106±7pg/ml)に比べてAllーNaラットで有意の上昇を示した(174±22pg/ml)。これに対してAIIーNaーCaラットでは低下傾向を認めた(114±7pg/ml)。血漿総カテコラミンもAIIーNaラットで上昇し(176±5vs276±30pg/ml)、AIIーNaーNaラットで低下した(182±13pg/ml)。〔考察〕Ca負荷は食塩負荷時の血圧上昇を抑制することがAIIー食塩ラットにおいても証明された。また、血漿カテコラミンの成績からCaの降圧機序に交感神経系が重要な役割を果たしていることが示唆された。しかし、血中Caレベルからこれらの関与は示唆されなかった。
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