研究課題/領域番号 |
03670438
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上原 誉志夫 東京大学, 医学部・(病), 助手 (40184965)
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研究分担者 |
松岡 博昭 東京大学, 医学部・(病), 講師 (20111544)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Dahlラット / フォスフォリパ-ゼA_2 / フォスフォリパ-ゼC / エイコサノイド / 血管平滑筋細胞 / プロスタサイクリン / GTP結合蛋白 / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
Dahl食塩感受性(Dahl S)ラット血管壁エイコサノイド系の産生異常について、血管平滑筋培養細胞(VSMC)を用いて分子生物学的に検討し以下の成績を得た。DahlSラットVSMCではアンジオテンシン、ブラジキニン受容体を介するアラキドン酸の遊離及びエイコサノイド産生に異常が存在するが、カルシウムイオノフォアによる最大刺激には過剰反応を示すことから、本エイコサノイド産生異常はアラキドン酸遊離段階での調節異常が主因と考えられた。アラキドン酸遊離に関与するフォスフォリパ-ゼA2(PLA2)活性及びその酵素学的特性には両群で差がみられないこと、また血管壁PLA2が従来のタイプ1またはタイプ2型と異なる特性を有することを報告した。VSMC内PLA2メッヤンジャRNAを抽出し、無細胞蛋白合成系を用いてPLA2を合成してその活性を検討したところ、DahlSラットVSMCではPLA2メッセンジャRNA含量が有意に増加していることが明らかとなった。一方、DahlSラットVSMCでは細胞内カルシウム刺激伝達系に関与するフォスフォリパ-ゼC(PLC)活性の低下がみられた。したがって、DahlSラットではPLC活性の調節機構に異常が存在し、細胞内カルシウム動員の低下とそれに基づくPLA2の活性の低下ならびにPLA2合成の低下を介してエイコサノイド産生障害が生ずる可能性が示唆された。実際同様な成績はVSMCのみならず摘出血管壁からも得られた。PLC活性調節機構の異常がDahlSラットエイコサノイド代謝障害の主因と考えられ、受容体、GTP結合蛋白及びPLCの関連について検討を加えている。
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