研究課題/領域番号 |
03670440
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
百村 伸一 東京大学, 医学部(病), 助手 (10190985)
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研究分担者 |
絹川 弘一郎 東京大学, 医学部(病), 医員
高橋 利之 東京大学, 医学部(病), 助手 (40236302)
芹澤 剛 東京大学, 医学部(病), 講師 (90143429)
河本 修身 東京大学, 医学部(病), 医員
杉浦 清了 東京大学, 医学部(病), 医員
大谷 余志 東京大学, 医学部(病), 助手 (90203827)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 心筋細胞 / 心肥大 / 心筋弛緩特性 / 細胞内Ca^<2+>動態 / 筋小胞体Ca^<2+>-ATPase / Na^+ / Ca^<2+>交換機構 / RNAプロット解析 / Na^+-Ca^<2+>交換機構 / 電位依存性Ca^<2+>チャンネル / RNAブロット解析 / 筋小胞体Ca^<2+>ーATPase |
研究概要 |
本研究の目的は、肥大心筋細胞において、細胞内Ca^<2+>動態(Ca^<2+>ハンドリング)の変化とCa^<2+>ハンドリングに関与するタンパク質の発現レベルの変化とを対比することであった。ニワトリ胚由来の培養心室筋細胞に10%牛胎児血清(FCS)を投与し(24時間あるいは48時間)、in vitroの肥大心筋モデル(蛋白含量、RNA含量、細胞表面積が25-40%増加したが、細胞数は不変)を作製した。Ca^<2+>indicator dyeであるindo-1を用いて測定したCa^<2+>transientに関しては、コントロールの細胞に比して、肥大心筋細胞においてはpeak systolic Ca^<2+>濃度は有意に低下し(コントロール群:950±142nM、肥大群:753±103nM、p<0.05、n=4)、Ca^<2+> transientの減衰速度(T_<1/2>)は有意に延長していた(コントロール群:132±12ms、肥大群:163±7ms、p<0.05、n=4)が、これらの変化は筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseの阻害薬であるthapsigargin投与時の変化と類似していた。RNAブロット解析により求めた筋小胞体Ca^<2+>-ATPase mRNA並びに細胞膜のNa^+-Ca^<2+>exchanger mRNAの発現レベルはともに、肥大群においてコントロール群のそれぞれ41.8±3.8%、35.0±4.3%に低下しており、(それぞれp<0.05、n=4)、上述したCa^<2+> transientの減衰速度の低下にはこれらの蛋白質の発現レベルの低下が関与している可能性が示唆された。さらに、細胞外液のNa^+濃度を0とし、caffeineを投与した際の細胞内Ca^<2+>濃度低下後の定常レベルは肥大群に比べてコントロール群の方が有意に高かった(コントロール群:806±129 nM、肥大群:338±30 nM、p<0.05、n=4)が、両者の差はverapamilの追加投与により消失下(282±35 vs 294±33 nM)。この所見は、細胞膜Ca^<2+>-ATPaseの阻害薬であるvanadateを前投与した場合にも観察された。これらのデータより、肥大心筋細胞のおいては、細胞膜の電位依存性Ca^<2+>チャンネルの発現レベルも低下していることが推定された。
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